シリア難民危機対応

ヨルダンの難民受入社会と難民の双方の雇用促進に向けてパートナーシップを強化するILOとUNHCR

2018年07月17日

 ILOと国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は2016年に紛争や迫害によって移動を強いられた難民その他避難民に対する長期的な解決策に焦点を当てた地球規模の覚書を締結しましたが、2018年7月16日にヨルダンの首都アンマンにおいて同国で暮らすシリアからの難民と難民受入社会の双方についてディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の機会をさらに促進するために新たに基本合意書を締結しました。あらゆる活動において難民の保護を確保する必要性などに言及する合意書に基づき、両機関は国際的な保護・労働基準の諸原則に従い、難民と難民受入社会の双方のヨルダン国内におけるディーセント・ワーク機会の確保に関連した共同活動の調整を図り、協力体制を強化することになります。

 この協力体制はシリア難民と難民受入地元社会のヨルダン住民の両方を支援するという、ヨルダン政府によって要請されているシリア難民危機に対するより幅広い国際的な対応の一部です。ヨルダン政府は2016年にヨルダン製品の欧州市場へのアクセス改善、ソフトローン(長期低利貸付)、外国からの投資の拡大の見返りとして、シリア難民が特定の職業に就くことを許可しました。これは2018年6月末現在で最大10万件のシリア難民に対する就労許可書の発行・更新という就労の機会を難民に開いただけでなく、長期的な開発目標にも寄与することになりました。

 ILOとUNHCRはザータリ難民キャンプやアズラク難民キャンプにおける職業安定所の開設を中心とした雇用面での緊密な連携に加え、生計手段に関連した活動の調整や知識管理の分野でも協力し合っています。覚書に掲げられている優先事項には難民と地元社会の双方が直面している労働市場における課題に対応するために地元の組織や機関との密接な協働を続けていくことも含まれています。両機関が今後実施する活動には、難民社会によって提起された就労に係わる権利や生計手段、就労のための移動といった事項に関する定期的な情報交換、難民に対する職業紹介業務における協力、難民の就労に関わる権利の拡大に向けた共同の広報提言活動、労働市場の公式(フォーマル)化促進のための革新的な解決策の促進などが含まれています。

 合意書の締結を受けて、ILOのパトリック・ダル・ヨルダン調整官は、「ヨルダン盟約の実施を支援する国連の活動の一環としてこれまでUNHCRと展開してきた素晴らしい協力体制」をILOは高く評価しているとのコメントを発表しました。ILOでは開発に焦点を当て、雇用を推進要素とするヨルダン盟約支援計画を策定し、短期的な雇用創出の必要性のみならず、得られる仕事の量と質の点でヨルダンの労働市場に以前から存在していた欠陥にも取り組んでいます。UNHCRのステファノ・セベレ・ヨルダン常駐代表は、ディーセント・ワークを可能にする難民の生計手段と保護空間の拡大をヨルダンにおける優先事項の一つに掲げるUNHCRは難民とヨルダン国民の両方について経済機会の創出を促進するために開発機関や民間セクターと協力していることを紹介し、「難民に手を差し伸べ、生計手段に関連したプロジェクトを促進し、技能を特定し、調整・広報提言活動を支援し、職人技術に関連した知識と生産を促進すること」に焦点を当てた取り組みを行ってきたと述べています。

 以上はパートナーシップ・現地業務支援局によるアンマン発英文記者発表の抄訳です。

Related content

ILOとUNHCRが避難民の求職活動を手助けする新たな協定を締結

機関間協力

ILOとUNHCRが避難民の求職活動を手助けする新たな協定を締結

ヨルダン初のシリア難民向けハローワークがザータリ難民キャンプ内で開所

ヨルダンのシリア難民

ヨルダン初のシリア難民向けハローワークがザータリ難民キャンプ内で開所

ヨルダンのシリア難民キャンプ内に職業安定所開設

ヨルダンのシリア難民

ヨルダンのシリア難民キャンプ内に職業安定所開設