ヨルダンのシリア難民
ヨルダンのシリア難民キャンプ内に職業安定所開設
2018年02月19日
ILOと国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)はオランダ政府の資金協力を受けて、ヨルダン政府と調整を図り、この度、3万人以上のシリア難民が暮らすヨルダンのアズラク難民キャンプに初の職業安定所を開設しました。アリ・アルグヘザイ労働大臣後援の下で開所式が開かれたこの安定所の目的は、キャンプで暮らすシリア難民がヨルダン国内全土で公式の就労機会を得るのを円滑化することにあります。
ILOとUNHCRは既に2017年にザータリ難民キャンプ内にヨルダン国内初の職業安定所を開設しており、既に8,000人以上の難民が同所を通じて農業を中心とした雇用を確保しています。
安定所を通じて、まだ就労許可を得ていない難民の許可取得が促進されると同時に、発行された就労許可がヨルダン当局とつながったUNHCRのデータベースに登録されることによってキャンプの出入りが円滑化されます。就労許可を取得した難民は、一度に最長1カ月間キャンプを離れることができるため、対象産業が限られてはいるものの、国内全土に就労機会を求められるようになります。難民の保護も強化され、相談対応や労働者の権利に関する情報、訓練機会、職業紹介業務も提供されます。
アズラク雇用安定所はまた、国内全土の使用者とキャンプ内の労働力を接近させる目的で一連の会社説明会を開くことを予定しています。開所式の日にもキャンプ内で説明会が開かれ、製造業、農業、サービス業の企業24社が参加し、850件以上の求人情報が提供されました。
「ご存じのように、仕事がなくてはここで暮らしていくのは不可能」と語るキャンプ住民のファディ・アルハリリ氏は、2014年にシリアからヨルダンに来て以来、延べ3カ月分の仕事しかしておらず、安定所の開設を歓迎しました。ヨルダンのシリア難民危機対応に関するILOの調整官を務めるマハ・カッターは、「就労許可が、キャンプを出て仕事を探す許可書としても使えることは、僻地にあるために住民に非常に限られた雇用機会しか得られないアズラク・キャンプの難民にとって大きな展開」と評価し、生計手段と自立能力の回復を手助けするためにも職業安定所が今後提供することになるサービスと仕事は難民が切実に必要としているものであることを指摘しています。
この新しい設備は国内のシリア難民に20万人分の雇用機会を創出することを目指すヨルダン盟約の実行を支援するものとなります。2016年に盟約が発効して以来、労働省が発行したヨルダン在住シリア難民の就労許可数は農業と建設業を中心に8万7,000件を超えています。残された課題は、現在のところ、発行された許可件数のわずか5%を占めるに留まっている女性の公式労働市場への参加機会を拡大することです。
オランダのバルバラ・ヨジアセ大使は、オランダがヨルダンの民間セクターの競争力強化を支援していることを挙げ、このプロジェクトは雇用を創出する成長企業とヨルダン人及びシリア人の求職者とのマッチングという自国の意向を非常によく反映していると評価しています。UNHCRのアリア・アルカハタル=ウィリアムス駐ヨルダン保護代表補は、「ロンドン支援会合後にヨルダン政府が表明した公約と取った行動は、地域経済を支援しつつ難民の自立を高める方法に関するモデルとなる」と指摘し、「シリア危機が長引くにつれ、シリア難民に力を付け、家族に安定をもたらすには、雇用機会が決定的に重要になっている」と説いています。
Related content
ヨルダンのシリア難民
ヨルダン初のシリア難民向けハローワークがザータリ難民キャンプ内で開所