Group photo of speakers at the ILO–UNDRR high-level side event during TICAD9 in Yokohama on 21 August 2025.

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「強じんなアフリカ」への鍵を握る「雇用と生計」 TICAD9

2025年08月22日

Group photo of speakers at the ILO–UNDRR high-level side event during TICAD9 in Yokohama on 21 August 2025. © Bruno Chapiron / ILO
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ILOと国連防災機関(UNDRR、本部・ジュネーブ)は8月21日、第9回アフリカ開発会議(TICAD9)でハイレベル・イベントを開催しました。両機関は、雇用創出、技能開発、地域社会の能力開発が回復力を備えた、強じんなアフリカに不可欠として、さらに活発な行動を呼びかけました。

TICADは日本政府主導で始まった会議で、1993年の第1回以来、アフリカ諸国と、国際機関やドナー国、民間セクター、アフリカ開発の分野で活動する市民団体などが一堂に会し、開発協力における課題を話し合ってきました。

ILOとUNDRRが開催したハイレベル・イベント「仕事と生計、レジリエンスの強化:長引く危機の根本原因への対処」には、政府・労働者団体・使用者団体(政労使)、国連機関、学界、市民団体などから参加者が集結。2015年3月に仙台市で開かれた第3回防災世界会議で採択された、災害リスク削減に関する指針として知られる「仙台枠組」に沿った好事例(ベストプラクティス)を紹介しつつ、雇用を下敷きとした解決策がいかにぜい弱性の軽減や危機の予防、早期回復につながるかを話し合いました。

André Bogui, ILO Assistant Director-General, delivers opening remarks at the ILO–UNDRR high-level side event during TICAD9 in Yokohama on 21 August 2025.
© Bruno Chapiron / ILO
© Bruno Chapiron / ILO
開会の辞を述べるILO官房長兼事務局長補のアンドレ・ボギ=2025年8月21日午後、横浜市

開会のあいさつに立ったILO官房長兼事務局長補のアンドレ・ボギは、ディセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)は強じんで回復力を備えたアフリカを目指す上で重要だと強調。その上で、「回復力を保つにはさらに歩みを進める必要があります。すなわち、雇用集約型アプローチを通じて包摂的な労働市場をつくり、現地で暮らす人々の能力開発に投資し、長期的な開発成果を確保することです」と述べました。

国連事務総長特別代表(防災担当)兼UNDRR機関長のカマル・キショー氏は、災害対応を事後対策型(Reactive)から事前対策型(Proactive)へと移行を提唱した「仙台枠組」は災害対策における世界の未来を見据えた計画であるとし、「形あるものや従来の職を復旧させることだけに目を向けるのではなく、災害からの復興が生計手段の選択肢を多様にし、実行が可能で、回復力のある、新たな生計手段を模索する機会となり得るのでは」と伝えました。

Kamal Kishore, Special Representative of the UN Secretary-General for Disaster Risk Reduction and Head of UNDRR, speaks at the ILO–UNDRR high-level side event during TICAD9 in Yokohama on 21 August 2025.
© Bruno Chapiron / ILO
© Bruno Chapiron / ILO
ハイレベル・イベントに登壇した国連事務総長特別代表(防災担当)兼UNDRR機関長のカマル・キショー氏

外務省国際協力局参事官(地球規模課題担当)の今西靖治大使は、日本は地震や津波、異常気象など多くの自然災害に対峙し、長年にわたり回復力を培ってきたと述べ、「インフラ投資は、その後の継続的な維持管理を必要とします。同時に、知識と専門知識の蓄積を促し、将来起こり得る災害の復旧・復興フェーズでも役立ち得るものです」と話しました。

会場では、使用者団体と労働組合の各代表が、日本のこれまでの被災の歴史から得た教訓を共有しました。経団連労働法制本部参事の長澤恵美子氏は労働者を守り、早急な復旧を可能にする事業継続計画と革新的な災害への備えが重要だと強調。連合副事務局長の則松佳子氏は、ボランティアの動員や資金調達、ぜい弱な立場に置かれる女性や子どもたちの保護といった組合の役割を紹介しました。長澤、則松の両氏は、社会対話と(ILOの構成員である)政労使の協調が、人命と子どもを守るために不可欠だと話しました。

イベントの終盤では、ILOアフリカ地域総局長兼事務局長補の ファンファン・ルワニンド=カイランが雇用集約型アプローチに備わった革新的役割について言及。「プロジェクトを通じて、人々が新たなスキルを身に付け、就職や起業を可能にします。公共雇用プログラムとは異なる、持続可能な別の道へ進むことができる点で重要です」と述べました。

Fanfan Rwanyindo, ILO Regional Director for Africa, delivers the closing remarks at the ILO–UNDRR high-level side event during TICAD9 in Yokohama on 21 August 2025.
© Bruno Chapiron / ILO
© Bruno Chapiron / ILO
閉会の辞を述べるILOアフリカ地域総局長兼事務局長補のファンファン・ルワニンド=カイラン

今回のイベントでは、政府や労働者、使用者、開発パートナーが、アフリカ全土で実施する革新的な取り組みも紹介しました。地域の道路建設、気候変動に強い農業、社会から疎外されたグループに属する人々のための技能訓練など――です。

このような取り組みを拡大することで、アフリカにおける回復力の向上とディーセント・ワークの実現、社会正義の推進がアフリカの開発アジェンダの核であり、持続可能な開発目標の達成と「仙台枠組」の前進に不可欠だという認識を新たにしました。

※この記事は横浜発ILOニュース(英文)の抄訳です。

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