第21回労働安全衛生世界会議

業務関連傷病の増加に取り組む世界的な行動の必要性を説くILO

2017年09月07日

 労働安全衛生に携わる実務者、政府、使用者、労働者の代表3,500人以上が参加して、2017年9月3日から開かれた第21回労働安全衛生世界会議は、新たに登場しつつある労働安全衛生の課題に取り組む世界規模の協調的な行動を呼びかけて6日に閉幕しました。

 業務関連の傷病に基づく年間死亡者数は、これまで世界全体で230万人と推定されていましたが、会議中にこれを278万人に引き上げる新たな推計値が発表されました。労働安全衛生の懸念事項に十分に対処しなかった場合のコストは、世界全体で国内総生産(GDP)世界合計の3.94%に相当する年間2.99兆ドルに達すると見られます。また、若者の業務関連傷病遭遇率は、より年長の労働者の1.4倍に達するとのデータも示されました。

 このような現状に直面し、ガイ・ライダーILO事務局長は、若者を含む働く人々の、より安全で健康的な労働条件を促進するILOの各種イニシアチブの中でもとりわけ、ILOは主要なパートナーと世界的な連合を形成することに関心があると強調しました。ILO労働行政・労働監督・労働安全衛生部のナンシー・レピンク部長は、基調講演の中で、「ほぼ10年で労働安全衛生に関する必要な政策、制度、事業計画を整備し、中小企業の安全衛生改善に対する革新的な手法をもって世界を主導してきた」点で、ホスト国であるシンガポールを評価しました。レピンク部長はまた、労働安全衛生世界会議は労働安全衛生に関わる世界中の人々が、知識や経験、専門性の共有だけでなく、提携先や協力相手を見つけるために参集する時及び場所であることを挙げて、「その点でこの会議の目的は達成された」とした上で、「ここはまた、規範設定及び就労に係わる基本的な権利の促進というILOに対する他の人々の期待を肌で感じる場でもある」との感想を述べました。

 ILOは会議において、労働力のグローバル化などといった、仕事の未来に影響を与えている従来からのそして新たに登場しつつある課題、信頼のおける傷病データの必要性、移民や女性、若者といった不安定な就労形態にある労働者の権利の保護の問題を重点的に取り上げました。また、会期中に開いたシンポジウムや専門分科会では、労働監督制度の実施及び遵守の向上、労働安全衛生に関する知見交流ネットワークの育成・維持に関する議論のための場を設定しました。

 傷病に弱い若年労働者という課題に対応し、今回は初の試みとして、若者会議を並行して開催しました。若年労働者の労働安全衛生促進を目指すILOの「安全で健康的な労働者世代の構築(SafeYouth@Work)プロジェクト」がシンガポール労働力省と共催したSafeYouth@Work会議には、29カ国以上から125人の若者チャンピオンが参加しました。4日間の会議は若者労使が若者のためのより安全でより健康的な労働条件について学び、根拠を挙げてその必要性を論じるだけでなく、この目的の達成に向けて若者向けの取り組みを提案する機会を提供しました。フィリピンからの参加者は、労働力の25%を占める若年労働者は、適正な給付も適正な賃金も適正な休息時間もない仕事を選ぶか全く仕事がないかの二者択一しかできず、最も危険な仕事に入る傾向があるため、仕事に関連した搾取に最も弱い現状を指摘した上で、このような状況を減らし、やがては消滅させる助けになる可能性がある仕組みをより良く理解する機会となったSafeYouth@Work会議を歓迎しました。

 若者会議の一環として、若者チャンピオンが労働安全衛生に関する世界中の専門家と直接交流できるSafeYouth@Workハイレベル対話も開かれました。シンガポールのジョゼフィーヌ・テオ労働力第二大臣や「持続可能な開発目標(SDGs)」のグローバル・リーダーとして青少年のエンパワーメントを擁護するサマル・サミル・メズグハンニさんも参加し、レピンク部長が主導したこの対話の参加者は、若年労働者の間で高い負傷率を低減し、予防的労働安全衛生文化の基礎を成す革新的な手法に向けた行動計画を約束するよう求められました。このSafeYouth@Work行動計画は若者チャンピオンが他の主要な行動主体と関与する際の土台を提供しています。

 若者会議の広報・啓発活動を補足するものとして、労働安全衛生世界会議の一環として実施されたSafeYouth@Workグローバル広報媒体コンクールの授賞式典も行われ、コロンビア、フランス、ミャンマー、コートジボワール、ベトナムなどの10人以上の青少年に賞が贈られました。

 以上は労働行政・労働監督・労働安全衛生部によるシンガポール発英文記者発表の抄訳です。

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