公正な人材募集・斡旋

フィリピンにおける公正な人材募集・斡旋のためのILO新規プロジェクト開始

2016年08月03日

 ILOはこのたび、スイス開発協力庁(SDC)と連携して、特定の移住ルートを中心に全世界的に公正な人材募集・斡旋を促進する新規事業として「公正人材募集・斡旋総合計画(FAIR)」を開始します。パイロット・プロジェクトが実施される国の一つであるフィリピンの首都マニラにおいて、2016年8月3日に発表されたこの3年間の事業は、人材募集・斡旋過程での詐欺や強迫行為の事例を減らし、移民労働者の人材募集・斡旋を効果的に規制し、公正な募集・斡旋の選択肢が形成される新たな介入モデルを試行することを目指します。

 パイロット・プロジェクトは、公正な人材募集・斡旋に関して何が機能し、何が機能しないかについての国際的な知識体系の構築に役立てられます。FAIRプロジェクトは、この知識と最善事例を用いて、規制及び執行における抜け穴に対処し、苦情申立や救済の仕組みの改良を図り、社会対話を育み、最終的には国際労働基準と中核的な人権文書に則った公正な人材募集・斡旋慣行が実施されるよう確保することを目指しています。国内外の人材募集・斡旋に関する世界的な知識体系の強化、公正な人材募集・斡旋を後押しする法、政策、執行の仕組みの強化、公正な事業慣行の促進、労働者のエンパワーメントと保護といった四つの主な戦略を用いて、政府及び労使団体に留まらず、報道機関や主要な市民団体との密接な協働も予定されています。

 西本供子ILOアジア太平洋総局長は、フィリピンが「移民家事労働者の採用を含む人材募集・斡旋過程における課題に対処する法律や政策の整備において相当の前進を遂げただけでなく、船員の斡旋に関しても労働者に手数料の請求が行われないよう確保する好事例モデルを提供している」ことを指摘して、FAIRプロジェクトがとりわけ低賃金労働者に利益をもたらすものを中心に、革新的な公正人材募集・斡旋慣行をさらに育み、陳列できることへの期待を述べています。

 シルベスター・H・ベロⅢ世労働長官は、FAIRプロジェクトは「公正かつ合法的で倫理的な人材募集・斡旋原則・慣行の促進、労働者の搾取・債務奴隷対策、人材募集・斡旋あるいは労働力流動化の費用の削減という課題に取り組む対話の継続といった、労働力移動の管理における決定的に重要な要素における国際協力に向けた具体的な一歩」であるとして、地球規模で流動するフィリピン人労働者の保護を先導する機関であり、長年にわたってILOと手を携えてフィリピンで生産的なディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進してきた労働・雇用省としてこのイニシアチブを歓迎すると語っています。

 ジュネーブのILO本部では2016年9月に、公正な人材募集・斡旋に関する技術的な指針の策定を目指して政労使三者構成の専門家会議が開かれますが、フィリピンはこの議長を務めることになっています。会議で検討される指針は、国内のみならず国際的な人材募集・斡旋慣行を対象とし、来年のILO総会における労働力移動に関する一般討議や就労に係わる基本的な原則・権利に関する反復討議の参考資料になることが期待されています。

* * *

 以上はILOフィリピン国別事務所によるマニラ発英文記者発表の抄訳です。