難民女性の起業
ヨルダンとシリアの「決意した女性たち」の甘い成功
ILOの助けを借りて、シリア難民とヨルダン人の女性グループが立ち上げた、お菓子その他の食品の製造販売を行うジョイントベンチャーは成功を収めました。
2019年07月11日
毎年6月20日の「世界難民の日」に国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)がヨルダンで開く#WithRefugees(難民と共に)サマーバザールはILOも後援しています。バザールには様々な国籍の難民が集い、自作の品を展示販売しています。販売収益は全額が出展者に直接渡る仕組みです。
今年のバザールに招かれて食品を販売していた仕出し料理とお菓子の店「アジーメット・サバヤ(アラビア語で「決意した女性たち」の意)」は、家族を養う収入の機会を求めていたヨルダン人3人、シリア難民3人の女性が1年前に設立したものです。6人はILOが2017年に開いたお菓子作りのオン・ザ・ジョブ・トレーニング(職場内実習)の参加者として初めて出会いました。イルビドの菓子メーカーであるアビードと提携してILOが提供したこの訓練は、ヨルダンとシリアの女性33人に焼き菓子の製造からデコレーション、包装といった技術を教えました。プログラムの一環として、商品の販売や商売を始める方法についての指導も行われました。
6人がイルビドに構えた店は、ケーキやビスケットからサラダ、ブドウの葉に包んだ料理などの中東のお米料理まで、個人客向けの家庭料理や特別なごちそうといった仕出し料理から、地元の大手菓子メーカー向けに納入する包装済ビスケットまで幅広い注文に応じています。「良い点は、シリアとヨルダンとパレスチナの料理が作れることです。お客さまの注文に応じて何でも作ります。地元のイルビドだけでなく、アンマンやラムサにもお客さまがいます」と創業メンバーの一人であるヨルダン人のナイマ・アルブドゥールさんは語ります。
「難民としてヨルダンに来た時、家族を養うには働かなくてはならないと気づきました。そこで研修に参加し、すぐに自分は菓子作りの商売に向いていると悟りました」と、8年前に夫と子どもと共にシリアを逃れてヨルダンにやって来たナワル・ファヘドさんは説明します。
現在、店では地元の他の女性に加えて、他の家族も働いています。ファヘドさんの夫は厨房を手伝い、アルブドゥールさんの夫は配達業務を担当しています。
「最初は私たちが外で働くことを夫や息子に受け入れてもらうのは困難でした。職場に連れてきて、仕事がどんなに難しいかを見せることから始め、ついには一緒に働いてもらうことになりました」とファヘドさんは振り返ります。「私たち自身が仕事を探している女性だったのですが、商売を始めてからは他の人に雇用機会を提供できています。他の女性に訓練を提供して、内職を始めるのを手助けしています」とアルブドゥールさんは説明します。
初日にバザールを訪れたパトリック・ダルILOヨルダン調整官は、今年も世界難民の日にUNHCRの主催するバザールに貢献できてとてもうれしいとの感想を述べた上で、アジーメット・サバヤについて次のように語っています。「ILOにとって非常に特別なエピソードです。設備と研修の点でほんのちょっとの支援を差し上げたら商売が大繁盛した成功物語です。これが完璧な好例なのは、暮らしが豊かになっただけでなく、地元社会にとっての難民受け入れの付加価値が示されているからです」。
女性らはサマーバザールのようなイベントは難民が収入を得て、新たな顧客に出会う助けになるものとして必要不可欠と評しています。「バザールに参加できて光栄です。このように重要なイベントに参加できるのは私たちの成功の証です。ヨルダンだけでなく、海外でもこのようなイベントがあれば参加し続けたいと思います」とファヘドさんは語っています。