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「バイオ炭」で雇用創出と気候変動対策 日本政府が支援、コートジボワールでILOがプロジェクト実施
2025年10月02日
ILOは、日本政府からの資金拠出を受け、アフリカ西部にあるコートジボワールで若年層の雇用創出を支援するプロジェクトを実施しています。隣国から難民を受け入れる地域社会の負担を減らし、環境にやさしい「グリーン雇用」を創出することが狙いです。
2つの課題 ―難民受け入れと気候変動―
コートジボワールでは、政情不安や治安悪化を抱える隣国ブルキナファソを逃れた難民が多く流入しています。北部にあるチョロゴ地域だけでもその数2万3千人。チョロゴ地域は、住民全体のおよそ6割以上が1日1人あたり3ドル未満で暮らす貧困層です。
難民の流入は、すでに経済基盤がぜい弱なこの地域を圧迫しました。さらに課題だったのが気候変動。チョロゴ地域の多くの世帯が農業を営んでいますが、気温上昇と年々不安定さが増す降雨量は農業にとって大打撃です。経済的機会を増やしつつ、気候変動にも対応できる新しいアプローチが求められていました。
環境にやさしい革新的な「バイオ炭」技術
そこで、ILOが実施するこのプロジェクトでは、難民や若い世代で「バイオ炭」をつくることにしました。
バイオ炭は土壌改良効果がある土壌改良資材です。植物に含まれる炭素は、 そのままでは微生物が分解し、二酸化炭素として大気中に放出されてしまいます。植物を炭化し、このバイオ炭をつくって土壌にまくことで、その炭素を土壌に閉じ込め(炭素貯留)、炭素が大気中に放出されるのを減らすことができるといいます。
プロジェクトを実施するチョロゴ地域などでは、これまで主要農作物の綿花の茎は廃棄していました。バイオ炭にはこの茎を使いました。バイオ炭を使った土壌は肥沃になり、生産性も上がり、高価な化学肥料の使用も減らせるようになりました。
生産からマーケティングまでを身に付ける
ILOは、民間企業などからの協力を得つつ、主に以下の活動を実施・支援しています。
- 18~40歳の地域住民5人で構成するバイオ炭のビジネスグループの設立
- 参加者のうち、女性の比率を4割に維持
- バイオ炭の生産方法や起業・マーケティングに関する研修の実施
コーディネーターのローラン・ビッシーは「活動内容は、コートジボワールに逃れてきた人々の状況にマッチしています。地域の回復力や強じん性を伸ばすはずです」と説明します。
研修を担当するアカ・フローラン・デ・シモ・ワンチは「バイオ炭の特徴は、純粋なオーガニック土壌改良資材という点。お金をかけずに土壌を再生できます」と話します。
家事の合間を縫い、積極的に研修に参加する女性も見られます。
オラム・アグリ・コートジボワールの農業アドバイザー、ジャカリデジヤ・イエは「家事の負担がある女性の方がかえって出席率はよいです。バイオ炭の製造方法を身に付けようと熱心です」と指摘します。
日々の糧と「絆」を育む
女性や若者、多くの難民にとって、バイオ炭で収穫高が増えただけでなく、つくったバイオ炭を売ったお金が入ってくるようにもなりました。
難民認定申請中のディアロ・クンジャは、このプロジェクトのおかげで必要な現金がすぐ手に入ったと話します。「肥料を買っていた分の支出が減り、食費や学校に使えるお金が増えました。子どもたちが学校に通えるので、とてもうれしいです」と笑顔を見せました。
この活動は、日々の暮らしを支える生計だけでなく、人々の絆も生み出しました。難民も、その難民を受け入れるコミュニティの人々もみんな肩を並べて手を動かします。
「私たちは食べるのも、飲むのも、何をするのも一緒。分かち合えば平穏が訪れます」。クンジャの言葉が、炭を焼く煙といっしょにふわりと舞い上がります。
日本政府の支援によるこのバイオ炭のプロジェクトのおかげで、コートジボワール北部のコミュニティがより強く、緑にあふれ、そして絆が生まれる場所へとなりつつあります。
※この記事は、アビジャン発英文記事を和訳し、プロジェクトについて補足したものです。