第107回ILO総会

ILO総会-6本の条約の廃止、3本の勧告の撤回を決定/海上の労働に関する条約の改正を承認

2018年06月05日

 総会は、2015年に発効した憲章規定に基づき、理事会から提案された場合、たとえ発効している条約でも所期の目的を失ったか、ILOの目的達成に当たりもはや有益な貢献をしていないことが明らかな場合、3分の2の多数決によって廃止できるようになっています。現在、ジュネーブで開かれている第107回ILO総会は6月5日に投票を行い、次の6本の条約の廃止と3本の勧告の撤回を決定しました。

 1926年の移民監督条約(第21号)は賛成381票、反対2票、棄権7票、1936年の土民労働者募集条約(第50号)1939年の雇用契約(土民労働者)条約(第64号)及び1939年の刑罰(土民労働者)条約(第65号)は賛成382票、反対2票、棄権6票、1947年の雇用契約(土民労働者)条約(第86号)は賛成381票、反対3票、棄権6票、1955年の刑罰廃止(土民労働者)条約(第104号)は賛成380票、反対2票、棄権8票でそれぞれ廃止が決定されました(日本の政労使はいずれについても賛成)。

 1920年の労働時間(漁業)勧告(第7号)及び1939年の移民労働者勧告(第61号)は賛成385票、反対2票、棄権3票、1939年の移民労働者(各国間の協力)勧告(第62号)は賛成383票、反対3票、棄権4票でそれぞれ撤回が決定されました(日本の政労使はいずれについても賛成)。

 廃止・撤回された基準は国際労働基準としての位置づけを失い、もはや基準集の中に掲載されることも、新しい文書や行動基準等の中で言及されることもなくなります。ILO憲章第22条に基づき、批准国は批准条約の適用状況に関する報告書を定期的にILOに提出する義務がありますが、廃止された条約はこの義務の対象からも、第24条に基づく申立てや第26条に基づく苦情申立ての対象からも外されます。

 また同日、「2006年の海上の労働に関する条約」についても、今年4月に開かれた同条約の特別三者委員会第3回会合で承認された条約規範部分の改正に関する投票が行われ、賛成372票、反対1票、棄権17票で承認されました(日本の政労使は共に賛成)。

 これは、「船舶に対する武装強盗や海賊の行為の結果として、船員が船上または船外で捕虜になった場合、船員の雇用契約、関連する団体交渉の合意、適用される国内法に基づく賃金その他の資格」に関する支払いが続けられるよう、船員の雇用契約に関する第2.1規則、賃金に関する第2.2規則、送還に関する第2.5規則の関連する規定を改正するものです。

 条約規定に基づき、総会は3分の2の多数決で、改正を承認するか、再検討を求めて特別三者委員会に差し戻すことができるようになっています。

 以上は主としてジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。