シリア難民危機対応

ILOとドイツがシリア難民と難民受入社会のディーセント・ワークを後押しする協定を締結

2019年03月13日

 ILO創立100周年記念式典出席のためにドイツを訪問中のガイ・ライダーILO事務局長と同国のゲルト・ミュラー経済協力・開発大臣は、2019年3月12日に、アラブ諸国及びトルコに避難しているシリア難民の雇用創出に対する支援を拡大する覚書に署名しました。ILOとドイツ経済協力・開発省は共に国連の難民・移民ニューヨーク宣言包括的難民対応枠組み(CRRF)難民に関するグローバル・コンパクトを支持していますが、この新しい覚書はドイツ政府とILOの従来からのパートナーシップをさらに強めるものとなっています。

 ILOとドイツ経済協力・開発省は2014年に、「公正で社会的に均衡の取れたグローバル化の確保」を国際社会が直面している中心的な課題とし、2015年以降の持続可能な開発のための国際的な枠組みを決定するプロセスは環境基準のみならず持続可能性基準、とりわけ社会・労働基準にもっと焦点を当てる必要があるとして、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を全ての人に実現することを目指すILOの取り組みを、途上国及びグローバル・サプライチェーン(国際供給網)で労働・社会基準が実現される方法を改善する上で必要不可欠な要素に位置づける共同趣意宣言を出しています。この宣言に立脚し、難民対応・強靱性地域プラン(3RP)の枠内で締結された今回の覚書の下、シリア難民危機の影響を受けている国々の強靱性を強め、緊張を緩和し、持続可能な開発を支援することを目指し、基盤構造や地域共同体の資産、公共サービス、環境の改善を通じて受入社会における働きがいのある人間らしい就労の機会の拡大に重点を置いた共同活動が進められます。

 ディーセント・ワークの機会を拡大するために、受入国の優先事項に沿って、社会の結束を増すことによる緊張緩和、公共投資を通じたディーセント・ワーク機会の拡大、政労使による社会対話の醸成を目指した事業計画が策定されます。この事業計画は、市場主導型の技能開発・認定の仕組みを採用し、シリア難民の公式(フォーマル)労働市場への参加を訴えていくことになっています。

 シリアの紛争は、同国民560万人がレバノンやヨルダン、トルコ、イラク、エジプトといった近隣諸国に避難を求める結果を招いています。ドイツは既に2016年からシリア難民と難民受入社会の両方の暮らしの向上を図るILOの事業計画に9,000万ドル相当額を上回る任意資金協力を行ってきました。具体的な事業には、全ての人に働きがいのある人間らしい就労機会を創出することを目指した広報提言活動及び政策対話、技能開発への介入事業、そして雇用集約型基盤構造計画(EIIP)を通じた道路、学校、病院、コミュニティーセンター、農地の建設工事に対する支援が含まれています。

 以上はILOアラブ総局によるベルリン発英文記者発表の抄訳です。