グローバル・ビジネス・ネットワーク

強制労働・人身取引グローバル・ビジネス・ネットワークをILO設立

2017年06月02日

 ますます複雑化する世界の中で強制労働及び人身取引の防止に対する手助けを求める企業からの呼びかけに応え、ILOはこのたび、「強制労働・人身取引グローバル・ビジネス・ネットワーク」を設立することにしました。この機構がもたらす、ILOが主導し、その専門知識を結集した独特の機会と解決策、そして187の全加盟国にわたる世界的なネットワークは、新たな趨勢に関する他では得難い情報やデータを企業に提供し、世界の急速な変化を予測し、これに適応することを可能にすることでしょう。さらにまた、効果的な人権上の「デュー・ディリジェンス(相当なる注意)」によって、問題が姿を現す前にそれを阻止するには政労使との交流が必要不可欠ですが、ネットワークはこの三者を結集するILO独特の三者構成を活用する機会を提供するものともなります。

 ネットワークの誕生は既に企業社会から大いに歓迎されており、米国の食品大手マース・インコーポレイテッド社からは設立のための元手資金の提供を受けました。

 ガイ・ライダーILO事務局長は、1世紀近くにわたり代表的な企業団体と活動してきたILOには、強制労働との長い戦いの経験があることを指摘して、この経験によって光が当てられたものとして、「情報交換と問題解決を導く環境を形成する仲間同士の交流の価値」を挙げています。

 ネットワークは企業が自社ネットワーク及び直接関連するサプライチェーン(供給網)内における強制労働及び人身取引のリスクを防止・緩和する方法に関する情報交換を導く環境作りを行います。ツールの開発や介入活動の試行も計画されています。当初の重点分野には以下のようなものが含まれています。

  • 現在あるポリシーの点検、リスク分野の特定、デュー・ディリジェンス
  • 強制労働撲滅に向けた企業・使用者向けハンドブックなどの現在あるILOの関連ツールの適応、企業活動における強制労働・人身取引の防止に関するその他の実践的な各国語版ツールの開発
  • 企業人員・供給業者向け訓練モジュールの開発・実施、訓練進行補佐
  • 既存のあるいは新たな法規体系や届け出義務の理解
  • ILOがパートナー組織と共に南アジアと中東で進めている「公正人材募集・斡旋回廊事業」を土台とした公正な人材募集・斡旋の確保
  • 強制労働・人身取引に関する介入モデルの試行、既に効果が立証された介入事業の規模拡大

 ネットワークは、グローバル企業として自社ネットワーク及びサプライチェーン内における強制労働と人身取引の防止に関心のあるあらゆる企業に開かれています。企業の需要に確実に応える形でのネットワークの始動に向け、ILOはこういった問題を直接担当する上級役員レベルの方々を対象に、企業及び使用者団体向けの地域協議会及び国内協議会を各2回開催することを予定しています。ネットワークまたは会議への参加に関心のある企業の方々はフータン・ホマユンプールILO強制労働上級専門官(Mr. Houtan Homayounpour)またはILO使用者活動局のヘンリク・モラー専門官(Mr. Henrik Moller)までお問い合わせ下さい。

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 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。