奴隷制度廃止国際デー
奴隷制度廃止国際デー:信仰指導者らの奴隷制度根絶宣言をILO歓迎/ILO強制労働専門家がオンラインQ&Aイベントを開催
2014年12月03日
現代の形態の奴隷労働に陥っている人の数は世界全体で2,100万人を超えるとILOでは推定しています。こういった人々に思いをはせる日である奴隷制度廃止国際デーの12月2日、世界の主立った宗教指導者がバチカン市国に参集し、地球上から現代の奴隷制と人身取引を根絶することを目指して、あらゆる信仰及び善意の人々に対して精神的及び実際的な行動を鼓舞する宣言に署名しました。この「現代の奴隷制に反対する宗教指導者共同宣言」の署名式にILOからはジルベール・ウングボ副事務局長が立会人として参列しました。この宣言は、今年3月17日にカトリック教会、イスラム教、英国国教会、そして現代の奴隷制の撲滅に向けて活動する団体であるウォーク・フリー財団などの代表が参加してバチカンで発表されたグローバル・フリーダム・ネットワーク(GFN)の結成に続くものです。
カトリック教会、正教会、英国国教会、ユダヤ教、イスラム教、仏教、ヒンズー教の代表が署名した宣言は、自分たちの信仰社会の内外を通じて全力を尽くして人身取引の被害者となって奴隷として働かされているあらゆる人々の自由のために協力し合うことを約しています。ウングボILO副事務局長は、奴隷制と人身取引が世界中で数百万人の男女の人権と尊厳を侵害していることに注意を喚起して、この宣言を「強制労働との闘いにおける大きな前進であり、現代の形態の奴隷制の撤廃に向けた固い約束を表すもの」と歓迎しました。
今年5~6月に開かれた第103回ILO総会では、強制労働に対する世界的な闘いに新たな弾みを付けるものとして、1930年の強制労働条約(第29号)を補足する勧告(第203号)と議定書が新たに採択されました。議定書は強制労働の防止、被害者の保護、そして物質的損害・身体的損傷に対する賠償などの救済を得る機会の提供などといった新たな義務を創設することによって国際的な法の枠組みの強化を図っています。労働者、特に移民労働者を詐欺的かつ不正な募集慣行からより良く保護する措置を講じることを批准国政府に求めると共に、強制労働との闘いにおける労使の役割を強調しています。
この歴史的な集まりへのILOの参加はバチカンとの古くからの関係に根ざしています。この関係は2013年11月にガイ・ライダーILO事務局長が教皇フランシスコ聖下に個別に謁見し、児童労働者や家事労働者、移民などといった最も脆弱な人々の状況と仕事における尊厳について話し合い、人身取引の被害者に対する懸念を共に表明したことによって強められました。
教皇フランシスコ聖下は第103回ILO総会にメッセージを送り、私たちの世界で奴隷労働が共通の硬貨となることは「許容できない」と訴え、人身取引を「災厄、人類全体に対する犯罪」と呼び、今こそ力を合わせて被害者を解放し、この犯罪の根絶に向けて協力し合おうと呼びかけました。また、6月12日の児童労働反対世界デーに際しても児童労働反対のレッドカードを掲げ、「数千万人の子どもたちが品位をおとしめられるような状態で働くことを強いられ、奴隷制や虐待、嫌がらせ、差別の被害者となっている」と指摘して、児童労働を糾弾しました。こういった公約の最初の具体的な事業として、ILOも招待を受けている一連のワークショップが2014~15年に教皇庁直属神学校で開催されます。
| アンドレエスILO強制労働撲滅特別行動計画部長 |
12月2日にはまた、強制労働問題の専門家であるベアテ・アンドレエスILO強制労働撲滅特別行動計画部長が強制労働に関する人々の質問に答えるオンライン・ライブイベント(英語)が開催されました。共同宣言署名式典に参列したアンドレエス部長は式典終了後の2日GMT16時(日本時間翌3日午前1時)からローマでイベントを主催し、ILOの強制労働議定書及び第203号勧告に照らし合わせて、この宣言の重要性を論じました。ソーシャル・ネットワーク・サービスのRedditの「Ask Me Anything(私に何でも聞いて)」コーナーを通じて提供されたこのイベントの模様は、「I am Beate Andrees, expert on modern-day slavery and responsible for an ILO report estimating that the global profits of forced labour are over $150 billion a year. Ask me anything!(ベアテ・アンドレエスと申します。現代の奴隷制の専門家であり、強制労働の利潤は世界全体で年に1,500億ドルを上回ると推計するILOの報告書の責任者です。私に何でも聞いて下さい)」と題するリンクからアクセスしてご覧になることができます。
2005年にILOが強制労働に反対する世界的な同盟を呼びかけてから、この非人間的な慣行に反対する動きは日増しに世界中で成長し、今年のILO総会では関連する新しい基準が採択されました。しかしなお、強制労働によって生み出される違法利益は毎年推計1,500億ドルに達しています。2014年の奴隷制度廃止国際デーに発表した声明で、ガイ・ライダーILO事務局長は、このような現状を紹介した上で、皆で力を合わせて21世紀中に奴隷制度をなくそうと呼びかけています。
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以上は次の三つの英文記者発表の抄訳です。
- 2014年12月3日付ローマ及びジュネーブ発記者発表-信仰指導者らの奴隷制度根絶宣言をILO歓迎
- 2014年12月2日付ローマ発記者発表-信仰指導者らの反奴隷制度世界宣言をILOも支持
- 2014年12月2日付ローマ発記者発表-ILO強制労働専門家がRedditでオンラインQ&Aイベントを開催