ILO年次総会
第103回総会
185のILO加盟国のほとんどから4,700人を超える政府、労働者、使用者の代表などが出席して開かれた今年の年次総会では、強制労働の防止、保護、補償措置を前進させると共に現代の形態の奴隷制を撤廃する努力を強化することを目指して1930年の強制労働条約(第29号)を補足する新たな議定書と勧告が採択され、遺棄された船員の保護並びに死亡及び長期的な障害発生時における補償のための金銭的保証の提供を目指して「2006年の海上の労働に関する条約」の改正が承認されました。また、インフォーマル経済からフォーマル経済への移行の円滑化に関し、勧告の採択を目指して来年の総会でこの問題に関する第二次討議を行うという結論に達しました。雇用に関する反復討議では、現在国連で検討が進められている2015年以降の世界の開発課題の明確な目標としてディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進していくことに加え、全地球規模及び各国レベルにおける先行対策的で雇用を中心に据えた包摂的な成長戦略と包括的な雇用政策の必要性に関しても合意に達しました。事務局長報告のテーマである労働力移動について加盟国政労使の見解が表明され、基準適用委員会では最低賃金の設定に関する総合調査に加え、個別国の条約適用における様々な問題が取り上げられました。6月9日に開かれた「仕事の世界サミット」の枠内で行われたヨルダンとモンゴルの首相による特別演説ではディーセント・ワークをすべての人に実現することを目指すディーセント・ワーク課題の中心的な重要性が強調されました。総会には教皇フランシスコからもILOの活動に対する支持を表明するメッセージが届けられました。総会議長にはアルゼンチンの使用者代表のフネス・デ・リオハ国際使用者連盟(IOE)会長、副議長には、在ジュネーブ・ギリシャ政府常駐代表部のアレクサンドロス・アレクサンドリス大使(政府側)、日本労働組合総連合会(連合)の桜田高明国際顧問(労働者側)、ケニア使用者連盟(FKE)のジャックリーヌ・ムゴ事務局長(使用者側)が選出されました。
ILO理事会は任期3年の正理事56名(政府側28名、使用者側14名、労働者側14名)及び副理事66名(政府側28名、使用者側19名、労働者側19名)で構成されていますが、6月2日に行われた選挙の結果、2014~17年の理事が選出され、日本からは使用者側正理事として、一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)の松井博志国際協力本部副本部長、労働者側正理事として、桜田高明連合国際顧問が再選されました。日本政府は、ブラジル、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、ロシア、英国、米国と共に、十大産業国として常任理事となっています。
第103回総会議題
- 第1議題-理事会議長及び事務局長の報告
- 第2議題-事業計画・予算その他の財政問題
- 第3議題-条約・勧告の適用に関する情報と報告
- 第4議題-1930年の強制労働条約(第29号)を補足することによる、同条約の実施面での不足部分への対処を通じた予防、保護、補償措置の促進及び実効的な強制労働撤廃の達成(1回討議による基準設定)
- 第5議題-インフォーマル経済からフォーマル経済への移行の円滑化(2回討議による基準設定の第1次討議)
- 第6議題-雇用の戦略目標に関する反復討議(2008年に採択された「公正なグローバル化のための社会正義に関するILO宣言」のフォローアップ手続きに基づく討議)
- 第7議題-2006年の海上の労働に関する条約の第13条に基づき設置された特別三者委員会の第1回会合で採択された同条約の規範改正の承認
総会のウェブサイトでは討議資料、記者発表、討議議事録などを入手できます。本会議の模様は動画でご覧になることもできます。---->
◎第103回総会(英語)
会議関連資料(英語)
関連広報資料
- 2014年6月12日(木)発表-「本当に重要な政策課題が承認された」と総会の議論を結ぶライダーILO事務局長
- 2014年6月12日(木)発表-成長を回復し、より包摂的な社会を促進するために決定的に重要なのは良質の雇用
- 2014年6月12日(木)発表-インフォーマル経済に関する議論が一歩前進
- 2014年6月11日(水)発表-国際労働法による遺棄された船員の保護と船員の死亡または長期障害発生に対する金銭的な保証の提供を支持
- 2014年6月11日(水)発表-現代の形態の強制労働に取り組む新たな議定書を総会で採択
- 2014年6月9日(月)発表-モンゴル首相総会演説:企業、投資、労働者の権利の促進を図るモンゴル
- 2014年6月9日(月)発表-ヨルダン首相総会演説:ILOとの強いパートナーシップを讃え、自国が直面している複雑な課題を強調
- 2014年6月9日(月)発表-仕事の世界サミット:ディーセント・ワークを通じた経済発展
- 2014年5月28日(水)発表-議長にフネス・デ・リオハIOE会長、労働側副議長に桜田・連合国際顧問
- 2014年5月28日(水)発表-大きな政策課題を提示する移住問題について論じるライダーILO事務局長
- 2014年5月23日(金)発表-ILO総会討議資料:パレスチナの民の雇用展望は厳しく、ガザは「紛争の火種」
- 報道関係素材(ニュース、記事、演説原稿、動画・音声ファイル・英語)
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