雇用集約型プロジェクト
国連事務総長が北レバノンで実施されているILOの雇用創出プロジェクトを視察
2021年12月20日
アントニオ・グテーレス国連事務総長が、2021年12月19日からの4日間にわたるレバノン公式訪問中の20日に、同国トリポリ市で実施されている、大いに必要とされている働きがいのある人間らしい仕事を創出しつつ市内の有名な海浜地帯の復旧を図っているILOと国連開発計画(UNDP)の合同プロジェクトを視察しました。
エルミナ町のコーニシュ遊歩道及び広大な海辺地帯を復旧するこのプロジェクトは、ILOがレバノンで実施している45件の雇用集約型プロジェクトの一つです。ドイツ開発銀行(KfW)の資金拠出を受けて実施されている雇用集約型基盤構造計画は、他の国連機関や国内・地元のパートナーと協働し、雇用創出と基盤構造開発を通じてシリア難民とレバノンにおけるその受入社会の両方の生計改善を目指しています。レバノン国内全土にわたる計画全体の受益者は既に1万4,000人に達していますが、このうち22%を女性が占めています。エルミナ・プロジェクトは最も脆弱なレバノン国民とシリア人を対象に、これまでに延べ約1,200人に短・中期の雇用機会を創出し、地元社会と訪れる観光客向けの、長期的な基盤構造ネットワークの基礎を提供しています。
他の国連職員と共にグテーレス事務総長を迎えたルバ・ジャラダットILOアラブ総局長はプロジェクトの簡単な説明を行い、エルミナ町の世話役を務めるイマン・エルラフェイ氏やトリポリ市商工会議所会頭、地元の非政府組織(NGO)、観光・漁業部門の労使代表などの主要なパートナーと受益者を紹介しました。事務総長はレバノンが直面している経済・金融・政治・保健・教育の多面にわたる複合的な危機が国内で最も不利な地域の一つである北レバノンの住民に与えている影響についてプロジェクトの受益者やパートナーと意見交換を行いました。イマン・エルラフェイ世話役は地域住民に生計機会を創出しているプロジェクトの重要性について語りました。労使の社会的パートナーは、民間セクター向けに強固な社会的保護・社会保障制度を構築することの重要性に光を当て、レバノンに対する支援の拡大、この国に投資を呼び込む手助けを事務総長に訴えました。
グテーレス事務総長の視察についてジャラダット総局長は次のようなコメントを出しました。「グテーレス事務総長が、この美しい古都の歴史的に重要な海辺の復旧によってレバノンで最も脆弱な人々の一部に働きがいのある仕事を創出しつつ、より幅広くレバノンの人々に利益をもたらしている私たちのプロジェクトを視察先に選んで下さったことを光栄に感じ、非常にうれしく思います。このようなプロジェクトは最終的にレバノンの安定と繁栄に寄与することでしょう。本日事務総長がここにいらしたことは、レバノンにおける国連ファミリーがこの国、そしてその住民が真に必要としている支援を提供するよう確保したいと考える事務総長の真剣な思いの証明です」。
グテーレス事務総長は4日間のレバノン滞在中、政治の激動や経済の機能不全、2020年8月に首都ベイルートの港で起こった壊滅的な爆発の影響などを含む累積する危機をこの国が克服するために国連がどのような支援を提供できるかに関し、政治、宗教、市民社会の指導者と懇談を重ねました。トリポリ視察時には、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が北レバノンで運営する学校も訪れました。