フィリピン:生計回復

ハイエン台風被災者支援:訓練とツールの提供でILOと技術教育・技能開発庁(TESDA)が協力/日本政府が300万ドルを拠出

2014年03月06日

 2013年11月8日にフィリピン南部を襲ったハイエン台風(フィリピン名:ヨランダ)による死者は6,000人を超え、少なくとも1,420万人が影響を受け、約600万人の労働者が生計手段を失うか、経済的な影響を受けたとILOでは推定しています。このうち260万人が被災前から既に脆弱な就業形態にあり、貧困線すれすれかそれ以下の生活を送っていたと見られます。ILOはとりわけこの層を対象に政府が緊急雇用計画によって2万人分以上の雇用を創出するのを手助けし、10万人以上の被災者に手を差し伸べて生活・労働条件の改善を支援してきましたが、このたび、訓練とツールの提供でフィリピンの技術教育・技能開発庁(TESDA)と協力する取り決めがなされ、日本政府の資金協力で新たなプロジェクトが開始される運びになりました。

ILOとTESDAが台風被災者を支援する訓練とツールの提供で協力

 ILOとTESDAは被災地で収入の得られる雇用その他の所得創出活動を通じて被災世帯の生計改善に寄与することによって脆弱な労働者や女性、若者、障害者の脆弱性を減らすことを目指して協力することを決定しました。3月6日に締結された覚書により、まず1,400人に訓練機会が、そして雇用を見つけ、生計を立てる機会を得るために必要な道具、材料、訓練手当といった助けが提供されます。

 プロジェクトは、ILO及び労働雇用省と調整の上、TESDAが被災地にある技術職業教育・訓練機関ネットワークの教材、指導員、施設を通じてレイテ州タクロバン市(受益者400人)、オルモック市及びギウアン町(同360人)、セブ州北部及び西ネグロス州(同300人)、ボホール州(同230人)、パラワン州コロン島(同110人)で実行します。プロジェクトは2014年12月までを期間とし、現場の即時かつ明確な需要に応えるためにただちに開始される短期コースと中・長期的な影響力のある、賃金雇用や自営業に必要なコースの2種類の訓練を通じて提供されます。前者では、大工仕事、石工術、タイル張り技術などの共同体の基盤構造や個人宅の修復、再建、復旧のために既に求められている技能についての訓練が提供され、後者では訓練の実施に加え、経済機会や訓練ニーズの評価、道具や小型機材の提供などの訓練後の支援を含む一連の活動が実施されます。海草生産、竹製品の製造、ボート修理、リサイクルしたココヤシ材を用いた家具製造などの生計手段が考えられており、観光・接客部門その他のサービス関連スキルに重点が置かれる可能性があります。成績評価を経て、コースの修了生には国家証明書が授与されます。TESDAとILOはまた、政府機関その他と連携して、訓練から就業への移行を円滑化するため、就職斡旋や起業家訓練、市場との連絡円滑化その他の小企業支援活動といった訓練後の支援も提供します。ILOには地域社会における持続可能な生計手段や所得創出機会を明らかにし、それに対応する技能訓練のニーズに対処するために用いることができるものとして、「農村の経済的エンパワーメントのための訓練(TREE)計画」を通じて得られた、効果が十分に証明された方法論及びツールがあります。

 パートナーシップ協定に署名したTESDAのジョエル・ビラヌエバ長官は再建を地域社会全体の仕事とし、そのための方法として、「人々が混乱状態から立ち直る地域社会の必要不可欠な一部となるように、人々に力を付け、技能を備えさせ、道具を提供すること」を挙げています。ILOを代表して協定に署名したILOフィリピン国別事務所のローレンス・ジェフ・ジョンソン所長は、雇用を復旧の先頭に置くことは、持続可能で実現できる再建プロセスの選択肢と語っています。

日本政府がハイエン台風被災者支援に300万ドルを拠出

 日本政府から300万ドルの任意拠出を受けて新たに始められる「ハイエン台風被災地の統合的な生計回復プロジェクト」は、2014年末までに延べ9万日分近い仕事を創出することを含み、約6,740人の貧しく脆弱な被災労働者に就業支援を提供することを予定しています。労働力を基盤とした公共インフラ復旧、代替的な生計手段を提供できるような職業スキルの育成、中小・零細事業の再建を組み合わせたILOの統合的な生計手段回復方法を用いるこのプロジェクトは、緊急対応から長期的かつ持続可能な生計手段の回復へと向かう復旧移行期に焦点を当てて展開されます。また、働く人々が最低賃金、労働安全衛生基準、社会的保護に関する現在ある政府の基準を享受するようその確保も図ります。

 浦元義照ILOアジア太平洋総局長は、雇用はILOにとって、「あらゆる緊急対応の開始段階における最優先事項であり、災害復旧の成功度を測る指標」であるとして、被災地の脆弱な人々に就業を回復する上で決定的に重要なこの日本政府の拠出金に対する謝意を表明しました。

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 以上は次の英文記者発表の抄訳です。

  1. ILOフィリピン国別事務所による2014年3月6日付記者発表:ILOとTESDAが台風被災者を支援する訓練とツールの提供で協力
  2. ILOアジア太平洋総局による2014年3月13日付バンコク発記者発表:日本政府がハイエン台風被災者の生活再建に300万ドルを拠出

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