労働改革
カタールが新最低賃金法を施行
2021年03月19日
昨年8月に制定されたカタールの新最低賃金法が、使用者の準備期間として設けられた6カ月の経過期間を経て、2021年3月20日に施行されます。同国の歴史的な一連の労働法改革の一部をなす、アラブ地域初の非差別的な最低賃金は、家事労働者を含む全ての労働者、あらゆる産業部門に、国籍を問わず適用されます。
1,000カタール・リヤル(約3万円)の月額最低基本給に加え、使用者は食事と住まいを直接提供しない場合には、それぞれ300カタール・リヤル(約9,000円)と500カタール・リヤル(約1万5,000円)の手当を支払うことが求められています。
民間セクター労働者の2割に当たる40万人以上の労働者が新法の恩恵を直接受けると考えられます。この賃上げについて、ILOカタール・プロジェクト事務所のマックス・トゥニュン所長代行は、「毎月送られる仕送りに依存している、労働者の母国に住む多数の家族の暮らしも改善されるでしょう」と歓迎しています。
法令遵守を確保するために、政府はより迅速な罰則施行、労働監督官のさらなる能力強化を通じて違反事例摘発能力の向上に努めています。
最低賃金法はILOとカタール政府による包括的な分析を経て、国内外の専門家や様々な経済部門の労使と協議の上、制定されました。同法に基づいて設置された最低賃金委員会は最低賃金の影響と適用を点検し、政府諸機関や専門家、労使と協議の上、調整を提案します。
この法は保証人制度であるカファーラ制度の解体を含むこの他の大規模な改革に続くものです。一連の改革によってとりわけ、労働者はもはや出国時に許可を取得する必要も転職時に反対がないことの証明書を取得する必要もなくなりました。こういった措置はカタールを、世界中から人材と投資が集まる、より魅力的な目的地とする可能性が高いと考えられます。
マックス・トゥニュン所長代行は次のように語っています。「労働力の流動性をより実効性のあるものとするためにはまだ幾つか対処すべき障害が残っていますが、既に多数の労働者が転職を果たしていることが観測されています。転職を申請した労働者の75%が既に手続きを終え、残りも手続きが進行中です。労働者を現地で採用できることによって、どの産業の企業もまた、国境を横断した人材募集・斡旋に関連した経費やリスクを減らすことができるという利点があります」。
以上はILOカタール・プロジェクト事務所によるドーハ発英文記者発表の抄訳です。
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