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茶園に広がる「安全で健康的な職場」づくり 日本政府の資金拠出プロジェクト ネパール
2025年04月28日
ネパール (ILOニュース) – 世界でも指折りの品質を誇るネパール紅茶ですが、製造過程で生じる安全や健康へのリスクは、生産現場ではあまりよく知られていませんでした。
「これまで茶葉を摘むとき考えていたのは『いくらもらえるか』『誰が払ってくれるか』でした。長靴を履かないので、ヒルに刺されることも。籠を頭に載せて運ぶと、首と背中が痛みました。でこぼこした道で転びそうになったり、枝が刺さることもよくありました」。そう話すユバタ・ニラウラ・バンダリさんは、ネパール東部のイラム郡にある茶園で8年働いています。
ILOは、日本政府からの拠出金で「南アジアにおける全ての労働者のための安全衛生プロジェクト」を実施しています。このプロジェクトと、ネパール中央紅茶協同組合連合会(CTCF)は、2023年から2024年にかけて安全で健康的な職場づくりの研修を実施しました。
ユバタさんが加入するティンジュレ紅茶生産協同組合はCTCFに加盟しており、ユバタさんも研修に参加しました。ILOのWIND(Work Improvement in Neighborhood Development)という参加型の研修で、職場の安全性を高める費用対効果の高い方法を学びました。
研修を契機に、ユバタさんの職場にも変化の兆しが見え始めました。
「研修では、簡単なのにたいへん効果が大きく、職場の安全性が劇的に変化する方法を紹介してもらいました。長靴やエプロンのような保護具を着けることの大切さから、負荷がかからない籠の使い方、切り傷予防のための指にテープを貼る方法、転倒防止のために通路に物を置かないこと――などです」
ネパールの紅茶生産者を代表するCTCFは、政策提言や連絡・調整、茶葉の生産・加工、販売促進に関するサービスを提供しており、加入する紅茶生産者協同組合は101団体に上ります。CTCFは、ILOのプロジェクトを通じ、茶葉の生産・加工に伴う健康へのリスクについて、労働者や農業従事者により広く知ってもらおうと研修を実施しました。こうした研修のほか、安全衛生委員会(事業場の労使が協力して安全衛生問題を調査・審議する機関)の設置やその指導などは、労働安全衛生を促進する上で効果的とされています。
茶葉工場で等級付け、洗浄、包装を担当するヤショダ・ライ・シュレスタさんも確実な変化を感じている一人です。「以前は、作業中に帽子やマスク、長靴を着ける習慣はなく、茶葉も床に座って選別していたので腰痛やかぜに悩まされました。手や足をけがしたときの常備薬もありませんでした」
研修を通じて、そうしたリスクを予防する方法を学んだと言います。「前は機械をまとめて置いていましたが、危険だとわかって安全な場所に分けて置くようにしました。ほこりでせきが出たり、風邪をひいたりするのを防ぐために、マスクや眼鏡をするようになりました」
プロジェクトを通じて、労働者や農業従事者が職場での安全衛生を実践するようになりました。
ユバタさんは「安全で健康的な職場づくりを促進することは、私たちの健康を守ることにつながると実感しました。こうした取り組みをぜひ続けていきたいです」と話しています。
この取り組みはILOの旗艦プログラムSafety + Health for Allの一環として実施しました。関連動画(1分17秒)もぜひご覧ください。(画面右下の 歯車マーク>字幕>日本語 と選択すると日本語字幕でご覧いただけます)