ILOブログ:HIV/エイズとエボラ
HIVとの闘いがエボラについて教えてくれること
2014年12月19日
| HIV/エイズと仕事の世界部のリカタ(左)及びアメクジ両専門官 |
人類のHIV(エイズウイルス)との闘いの歴史は既に30年以上に及び、ILOにおける取り組みも15年を数えています。HIV/エイズと仕事の世界部のマルゲリタ・リカタとコフィ・アメクジの両専門官は、ILOのブログ「Work in progress(進行中の仕事)」に投稿した12月19日付の記事で、西アフリカで猛威をふるっているエボラ・ウイルス病への対応にこの経験を生かせる可能性を指摘しています。
新規感染こそ減ったものの、マラウイのHIV感染率はまだ高く、感染者はほぼ4人に1人に達しています。ILOは約4年前に同国南部において紅茶農園で働く労働者を対象としたプロジェクトを実施しました。労使と協力してその暴露リスクを減らすと共に感染者が差別から保護され、治療機会が確保されることを目指した活動が展開されました。家族と遠く離れて暮らす労働者は典型的に、多くの場合、金と引換で身を任せる複数のセックスパートナーを持ち、一般に身を守る方法に関する十分な情報がなく、感染者は恥辱と差別に直面していました。
こういったすべてのことはエボラ・ウイルス病との闘いに従事する人たちもよく耳にすることと思われますが、恐れと誤った情報は感染の拡大を促進すると同時に感染者の生存と回復を一層困難なものとします。エボラの勃発は第一義的に公衆衛生の危機ですが、ILOが学んだ一つの教訓として、職場は感染の広がりを食い止める強力な砦になり得るということが挙げられます。もう一つの重要な教訓は、人権に根ざした手法をとることであり、ILOでは差別禁止と権利保護を約束する政策環境を基盤とした職場におけるHIV対応を編み出しました。
例えば、紅茶農園で労使と協力して開発した教育プログラムは、感染リスクを減らす方法及び感染した場合に保健医療サービスを利用する方法に関する情報を5,000人以上に提供しました。労使双方で構成される委員会が設置され、すべての従業員に自分の状態を知ることが奨励されました。労働者らは仲間からの情報入手を心やすいものに感じ、検査を受ける可能性、そして陽性と診断された時に治療を受ける可能性が高まりました。一方、会社は感染者に対する差別を許容しないとの姿勢を明確にしました。
以上の例から見て取れるように、労働者、そして地域社会全体が命を救う可能性がある情報を得る入手先として、職場には大きな力があります。紅茶農園で用いたのと同じ手法を用いて、エボラの拡大を食い止める助けになるように西アフリカの労働者らに力を付けることができるでしょう。この手法はまた、生き残った人々につきまとい続ける恥辱を消しつつ、感染を避ける方法について共通の原則を確立する助けになる可能性があります。エボラ対応の最前線に立つ医療労働者らの労働条件は極めて重要であり、人間らしく働きがいのある労働条件、報酬の適時の支払い、十分な訓練と設備が確保されるべきです。根本的なこととして、病気の拡大を推進する貧困や不平等のような基盤となる要素に引き続き取り組む必要もあります。気候変動や都市化に伴い、エボラの勃発のような公衆衛生上の非常事態は一層頻発する可能性があり、そうであるとすれば、職場内外におけるHIVとの闘いから学んだ教訓と経験を活用できるよう用意しておくべきと専門家らは説いています。
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以上はHIV/エイズと仕事の世界部のマルゲリタ・リカタとコフィ・アメクジの両専門官がILOのブログ「Work in progress(進行中の仕事)」に12月19日付で投稿した英文記事の抄訳です。
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