障害者の訓練
障害者を含むシリア難民とヨルダン国民の双方に仕事の世界への扉を開くILOの訓練
この訓練プログラムはシリア難民とヨルダン国民の両方のコミュニティーの構成員が新たに習得した技能を用いて仕事を見つけ、収入を得ることを支援しています。
2018年08月05日
ILOはシリアからの難民が多数暮らすヨルダンで双方のコミュニティーの構成員が人間らしく働きがいのある労働条件の仕事を見つけられるよう様々な支援を提供しています。その一環として、米国政府の任意資金協力を得て、首都アンマン、イルビド、ザルカ、カラク、マフラクの各地で数千人規模のヨルダン人及びシリア人が様々な産業部門における訓練を通じて技能向上を図るか既に有している技能の認証を得るのを支援するプロジェクトを実施しています。この訓練プログラムはシリア難民が就労許可を取得してヨルダンの労働市場で公式の仕事に就くことを手助けしてもいます。
最近ILOの支援を受けてマダバ・モザイクアート修復研究所(MIMAR)で行われたモザイク画の制作・修復訓練には、61人のシリア人難民とヨルダン人が参加しました。そのほとんどが障害を持つ方々でしたが、皆、就労機会を広げることになるであろう新しい技能の習得に熱心でした。
参加者の1人であったヨルダン人のラハマ・ハイララハさん(32歳)は生まれつき手がなかったため、ほとんど何でも足でこなす技を身に付けました。この非凡なる技能を磨き上げ、より高い程度の独立性を達成して自立しようと何年にもわたって頑張ってきましたが、障害を理由に社会に受け入れられないこともしばしばで、特に仕事の世界はそうでした。「いつも働いて自活できることを望んできたのですが、仕事に応募しても常に『足しか使えないのでは』と言って断られます。最初は心が砕かれましたが、時と共に強くなり、何とかうまくやろうと決心がますます固まりました」とハイララハさんは語ります。
モザイクアートの訓練を受けられることになって、新しい技能を学べる機会に興奮しましたが、同時に、これほど難しい作業を行うのは初めてのことだったため、最初は怖じ気づいてやる気がわかず、躊躇しました。でも、勇気を出して訓練に参加すれば、仕事の機会を見つける助けになるかもしれないと考え直しました。
ハイララハさんの訓練は本人もびっくりするほどにうまくいきました。「こんな素晴らしい作品を自分が作れるとは思ってもいませんでした。自分が達成できたことがとても誇らしいです」とハイララハさんは語っています。同じく障害を持つもう1人のシリア人受講生のアブデル・エラハ・アフマドさんも次のように語っています。「この訓練では上手に、そしてもっと精巧な作品を作るよう奨励されました。障害者でも極めてうまく働けることを世の中に知ってほしいです」。
訓練を終えた参加者には正式に技能を認定する証明書が研究所から発行されました。多くが既に、習得した技能を用いて幾らかの収入を得る機会を探し始めました。ハイララハさんは研究所に来たモザイク画制作の注文を一つこなすよう講師に頼まれました。人生初の有償の仕事を引き受けたハイララハさんは、「とてもわくわくしています。これをきっかけに今後多くの注文が来て、人並みの幸せな人生を送られるような小規模の在宅事業を興すことができればと思っています。障害を持つ他の方々にも身体障害によって人生を邪魔されないようにしてと言いたいです。外に出て私たちは働けることを世の中に証明しなくてはなりません」と説いています。
ヨルダンにおけるILOのシリア難民危機対応活動の調整官を務めるマハ・カッターは、自らの才能を表現する機会を参加者に提供したこの訓練が、「障害者その他の参加者に、労働市場に参画し、新たに習得した技能を通じて持続可能な収入を生む助け」になることへの期待を語っています。
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