ILOマルチメディア・プラットフォーム「声」:起業

事業成功のための救済策

 ILOがモルドバで実施している養蜂家向け講習に参加して、ビオリカ・アンゲルさんの人生は変わりました。今は自分で事業を営み、ハチミツを薬として用いて息子や他の人々を癒やしています。

2021年01月11日

 ILOは通常予算補足勘定を用いて2019年4月にモルドバ南部のカフ県で実験的な地元就労パートナーシップ(LEP)プロジェクトを開始しました。地元の労働市場改善に向けてILOの支援を受けて国家機関や地元機関など20以上の官民パートナーが集結したプロジェクトは、地元の若者と障害者の事業開発機会を特定し、仕事を創出し、非公式(インフォーマル)な仕事を公式(フォーマル)化することを目指しています。プロジェクトの受益者は882人に上りますが、その1人である同県アンドルシュル・デ・ジョス村のビオリカ・アンゲルさんは幼い子どもを1人で育てる障害者です。

 病気がちの息子のためにも天然の薬として用いるハチミツをよく購入していたアンゲルさんは、プロジェクトに参加して自分でそれを生産することにしました。プロジェクトでは経験豊かな年上の養蜂家から先輩として指導が提供されました。「養蜂についての本が詰まった図書館に通ったような」数週間に及ぶ訓練は非常におもしろく有用で、アンゲルさんは一度も休みませんでした。講師を務めたセルジュ・パスラル氏はとても親切で、どんな時間でもいつも、どんな質問にも答えてくれました。

 プロジェクトの助成金で小規模家族事業を営むこととし、まず10の群れを購入して養蜂家としての第一歩を踏み出しました。最初は蜂に刺されると動揺しましたが、次第にその習性を学び、今は互いに愛情をもつまでに至りました。初年度は60キロのハチミツを採取し、群れは九つ増えました。

 アンゲルさんはハチミツや蜂派生品から風邪や骨の痛みなど用の天然薬を多く生産しています。息子のガブリエル君の具合が悪い時にはハチミツ酢を飲ませています。

 自分だけでなくあらゆる若者が自国で小規模事業を営み、海外に出稼ぎに行かなくても済むような自活の手段を与えてくれるこのプロジェクトをアンゲルさんは「大歓迎」と評しています。「プロジェクトに参加して得た最も貴重な成果は、知識と金銭的な援助に加え、プロジェクトの関係者の方々全てから寄せられた信頼です。この思いを他の方々にもお伝えするつもりです。今はまるで羽が生えたようなものです。たくさんの自信と尊厳を得ることができました」とアンゲルさんは語っています。

 アンゲルさんは2021年に0.5トンのハチミツを生産し、2,000ドルの収入を得ることを目指しています。来年はこれを倍増させることが目標です。

 以上はマルチメディア・プラットフォーム「声」に掲載されている2021年1月11日付の英文広報記事の抄訳です。