若者の就労
ロシアの若者の仕事の未来
次の世紀に足を踏み入れようとしているILOにとって若者の就労は依然として優先事項の一つです。ロシア・西シベリア地域のあるプロジェクトは、使用者の認識を変え、最も脆弱な若者に機会を創出することによって、仕事の未来のカギを握るこの課題に取り組んでいます。
2018年12月21日
ロシア・西シベリア地方のハンティ・マンシ自治管区・ユグラは原油・ガス生産のおかげでロシアでも最も裕福な地域の一つに数えられます。生産年齢人口の29%を16~29歳の若者が占める非常に若い地域でもあり、失業率は非常に低いものの、それでもなお、高い資格を持ちながら仕事が見つからない若者が比較的多く住んでいます。
このような若者の一人であるルスラン・ミクノさん(25歳)は、測地学を修めた後、ニジネヴァルトフスク市に移転しました。この原油を豊かに産する地域では測地学の専門家が大いに求められており、簡単に仕事が見つかると確信していましたが、未経験の若者に現実はそれほど甘くありませんでした。
隣のスルグト市に住むマリナ・ロマノワさん(25歳)も大学を卒業後、報道・広報関係の仕事を探しましたが、経験がない者を雇ってくれるところは見つかりませんでした。
ILO東欧・中央アジア・ディーセント・ワーク技術支援チーム(DWT)兼国別事務所のミカイル・プーシキン上級雇用専門官が指摘するように、このようななかなか解消されない若者の失業問題は経済発展水準と無関係にあらゆる国に見られ、これはとりわけ、「就労経験のない若者をビジネス上のリスクと認識する使用者の若者労働者に対する固定観念」に根ざしています。
2人は地元の公共職業安定所に失業者登録を行いましたが、この絶望的な状況に変化はありませんでした。このままでは仕事探しを諦めた失意の若者の仲間入りをするところでしたが、幸運なことに、2人が住んでいる地域はILOがロシアの石油会社ルクオイル社の資金協力を得て実施している「独立国家共同体諸国における若者の就労に向けたパートナーシップ・プロジェクト」の対象地域に含まれていました。このILOのプロジェクトは、現在、多くの欧州諸国で一般的な、いわゆる「若者保障制度」を試行しています。これは簡単に言って、公共職業安定所における登録期間が一定期間(通常4カ月)を超えた若者失業者に、仕事、継続教育、訓練、見習い研修のいずれかを提供するというプロジェクトです。これは若者に技能向上を図るか、職業人としての価値を証明する機会を与え、最終的に使用者から期間の定めのない雇用の申し込みを得ることを目指しています。
ミクノさんはニジネヴァルトフスクNIPIネフトと呼ばれる定評ある調査研究・プロジェクト機関での有償の見習い研修の機会を提示され、その好機を活用してやがて測地専門家として正規の職を得ました。ミクノさんはILOのプロジェクトが人生を変えたと言っています。
ロマノワさんはスルグト空港で管理職の見習い研修の機会を与えられました。正確には探していた仕事ではありませんでしたが、人との交流が好きなロマノワさんは将来的なジャーナリストの夢には良い経験と思ったために引き受けました。研修後、広報の職を得たロマノワさんは、空港の就労経験で得たコミュニケーション・スキルと自信が就職につながったと考えています。
ハンティ・マンシ自治管区・ユグラのアレクセイ・バルラコフ労働・雇用局長はこの若者保障制度の結果に非常に満足しています。このILOのプロジェクトは公共職業安定局、社会的パートナーである労使、民間企業、市民団体といった地元の連携を伴う事業であり、若者保障計画や賃金補助制度、実務研修(OJT)、若者起業家精神育成計画などといった脆弱な若者、若者失業者を対象とした積極的労働市場措置を含んでいます。
ILO東欧・中央アジアDWT兼国別事務所のオリガ・クラエワ所長は、2019年に創立100周年を迎えようとしているILOがディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を確保する機会を広げる仕事を若者に促進する人々の先頭に立ち続けていることについて「誇らしい」との感想を述べています。
以上はILO東欧・中央アジアDWT兼国別事務所による2018年12月21日付のニジネヴァルトフスク発英文広報記事の抄訳です。