雇用集約型投資計画
ヨルダンの最も脆弱な共同体を支えるディーセント・ワーク
ILOがドイツ復興金融公庫(KfW)開発銀行経由でドイツから任意資金協力を受けてヨルダンで実施している事業計画は、ヨルダン国民のみならずシリアからの難民も含み、最も脆弱な人々に支援を提供しています。
2020年10月20日
ILOがドイツ復興金融公庫(KfW)開発銀行経由でドイツから任意資金協力を受けてヨルダンで実施している事業計画はヨルダン国民のみならずシリアからの難民も含み、最も脆弱な人々に支援を提供しています。地方公共団体や地元の役所と協同で実施されているこの事業計画は、地方公共団体の公共施設や幹線道路を含む道路の維持・清掃に焦点を当てた雇用集約型投資計画、つまり労働集約的な事業を通じて即時の短期的な就労機会の創出を支援しています。
ヨルダンの首都アンマンの北東20キロのところに位置するザルカ県のベリエン農村地帯で暮らすマハムード・アル・アベドさん(24歳)は、数カ月前に地元公共団体を通じてこの事業計画の一環としての道路清掃の仕事を見つけました。マハムードさんは学習障害があるために仕事探しが難しいことが多いものの、何年も農場で単発的な労働に従事して両親や兄弟姉妹を支えてきました。一家は農場の管理人として住まいと日常の基本的な必需品は得られますが、この貧しい一家が日々のニーズを満たす助けになる所得創出は決定的に重要です。
高齢の父親アフマドさんは息子が考えを言語化するのを助けながら、財政事情を次のように説明します。「収入源は全くありませんが、息子達の仕事は家計の助けになり、支払いができます」。
2カ月間の雇用機会はマハムードさんに大いに必要な収入をもたらしただけでなく、心身の状態を良好にする助けにもなったと父親は説明します。「早起きして仕事に行くことは息子にとって良い経験でした。働く前の状況は悪く、何もすることがなくて皆で家の中で座っているしかできませんでした」。マハムードさんも「敬意をもって、よく扱ってもらいました」と振り返ります。
ILOの事業計画の重要な要素はディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の原則です。これには受益者としての就労者の50%をシリア人、20%を女性、3%を障害者とするよう確保することや、適切な安全具や個人用保護具、社会保障を全ての労働者に提供すること、さらに透明で安全な支払い手続きなどが含まれます。
マハムードさんはこれ以上ない良いタイミングで雇用されました。ちょうど2カ月の雇用期間が終わる直前の2020年3月に新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を抑える政府の措置が発動され、ヨルダンの経済活動の多くが停止しました。全国的な地域封鎖によって仕事は中断したものの、マハムードさんを含む数千人の労働者には基本的なニーズが満足されるよう確保するために給与が払われ続けました。ILOは一部の労働者が自己隔離に入っていた僻地の村々を含み、イルビド、マフラク、ザルカ、ジャラシュ、アジュルン、アンマンの複数の地方自治体に住む労働者に対して現金引出用に500枚以上のATMカードを配りました。6月にようやく、現場労働者に高い保護水準を確保する厳格な新型コロナウイルス保護指針の下、事業計画に参加する労働者の最初の一群が現場に復帰し始めました。
この事業計画を通じた臨時雇用期間は終了したものの、マハムードさんは父親と共に、近い将来同じような機会が得られることを期待しています。「たとえどんなものであろうとも、私たちにとって仕事は祝福です。息子くらいの年齢の時に働いていたことを思い出すと、再び力がわいてきます」とアフマドさんは語っています。
以上はILOアラブ総局による2020年10月20日付のベリエン発英文広報記事の抄訳です。この記事はKfWのウェブサイトにも掲載されました。