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ビジネスに関する一般的な方針
2024年04月22日
ILO加盟国で多国籍企業(multinational enterprises)による影響が拡大するにつれて各国政府と社会的パートナーの間で懸念が高まり、ILOの多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言(多国籍企業宣言)が策定されました。多国籍企業は、世界中で重要なパートナーとして経済・社会の発展に貢献しています。そうした役割に加えて、多国籍企業があらゆる人々のディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現に向けて取り組むことを奨励し、また、さまざまな事業活動を行う上で生じ得る問題を最小限に抑え、実際に生じた場合には解決することを同宣言は目指しています。
さらに、多国籍企業が事業を行う国の政府による政策や開発優先事項と足並みをそろえて事業を行うように促し、企業活動をさらなる社会の発展につなげます。また、労働者の権利を含む人権を保護し、包摂的な経済成長と持続可能な開発を進める政策を策定する責任が政府にあることを明言しています。多国籍企業は、事業活動の全般にわたって労働者の権利を含む人権を尊重する責任を負っており、人権デューディリジェンス(human rights due diligence)を実施する必要があります。労働組合や使用者団体は、多国籍企業の持続的な取り組みが地域の企業文化にもたらす波及効果を高める上で重要な役割を果たすことができます。例えば、そうした企業によるデューディリジェンスの実例を共有するのも効果的です。
社会的な規制に関しては、政府の自律的な判断を受け入れることが企業側には期待されます。一方政府には、世界人権宣言や関連する国際条約を順守し、労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言(1998年制定、2022年改定)も含めて、各条約が定める原則を最大限守ることが求められます。この宣言は社会・労働問題に関する世界的なコンセンサスとなっており、その具体的な規定は、どのような発展段階にある国であってもあらゆる労働者の中核的な権利だと見なされる10のILO基本条約に示されています。こうした規定を中心に構成されているのが多国籍企業宣言です。政府が任務を果たすことができていない場合や分野については、企業はそうした政府の問題に寄与したり、またはそれによって恩恵を受けたりせずに、自らの責任を果たさなくてはなりません。多国籍企業宣言で取り上げられている分野において政府が十分な行動を取っていないか、まったく行動を取っていない場合には、企業は同宣言の規定を自らの行動の指針とするべきです。
国内法はその国の伝統や慣行を表すものであり、多国籍企業も尊重することが求められます。ただ、法律と実際の慣行の間には大きな違いが生じていることもあり、そのために、労働者の権利の尊重において問題が起こることが往々にしてあります。全国規模の使用者団体や労働組合は社会・経済の開発に関して政府との対話における主要な社会的パートナーであり、多くの場合、国内法やその国における慣行について優れた情報源となります。
また、政府や企業は、国内法の規定や国際的に認められた義務に沿っているのであれば、自らの判断で結んだ約束は守るべきです。政府について言えば、これには批准した国際条約などの義務を完全に履行することが含まれます。企業については、企業レベル、セクターレベル、あるいは国レベルでの労働協約、国際的な枠組協定、さらには事業活動に関する企業方針の一環として行ったその他の約束を尊重する必要があります。
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