「あきこの部屋」第5回 - COOP 協同組合
2016年08月25日
2016年8月25日
日本では、8月中旬(東京などは7月中旬)にお盆という祖先の霊を祀る行事があり、国の祝祭日ではないのですが、多くの人がその時期に数日間有給休暇をとって帰省したり、旅行に出かけたりします。
さて、今月は協同組合をとりあげます。筆者は、子どもの頃から、日本で最初に誕生し、現在も最大規模の生活協同組合コープこうべにお世話になっており、協同組合は身近な存在でした。この協同組合とILOは創設の時期から密接なつながりがあります。
労働運動と協同組合運動は、どちらも、イギリスで産業革命後、過酷な労働条件で働くことを余儀なくされ、生活に困窮した労働者が協力して自らの生活を守るために始めた活動です。
ILOは憲章で協同組合の重要性を認め、創設年の1919年に国際協同組合同盟(ICA)と正式な関係を樹立し、1920年に事務局の中に協同組合部(Cooperatives Service)を設置しました。現在も(Cooperative Branch)が存在します。ILOは協同組合を、とりわけ農村部において開発過程を支援するための理想的な機構とみなし、技術援助と情報共有を通じて協同組合の育成を推進し、政労使が果たしうる役割について助言してきました。国連が1971年に設置した協同組合を推進する委員会(COPAC)の創設メンバーでもあります。
協同組合のさらなる振興をめざし、ILOは2002年に「協同組合の促進勧告」(第193号)を採択しました。これは協同組合に関する唯一の国際的な政策枠組みです。この勧告は全世界的に適用され(参考1)、協同組合を、「共同で所有され、かつ、民主的に管理される企業を通して、共通の経済的、社会的及び文化的ニーズ及び希望を満たすために自発的に結合された自主的な人々の団体」と定義しました。雇用創出、資源動員、投資創出、経済寄与における協同組合の重要性、協同組合が人々の経済・社会開発への参加を推進すること、グローバル化が協同組合に新しい圧力、問題、課題、機会をもたらしたことを認識し、協同組合を促進する措置を講じるよう加盟国に呼びかけています。労使団体と協同組合団体の役割、相互関係、国際協力に関する規定も含んでいます。
ILO事務局長が毎年メッセージを出す国際協同組合デーは7月の第1土曜日で、ICAにより、1922年に定められました。世界の協同組合が協同組合運動の発展を祝い、さらなる前進を誓いあう日とし、世界各国でさまざまなイベントが行われます。国連も1995年のICA設立100周年に際し、同日を「協同組合の国際デー」と認定しました。国連はまた、2012年を「国際協同組合年」としました。今年の国際デーのテーマは、「協同組合 持続可能な未来のために行動する力」で、協同組合の日々の取り組みが、SDGs(持続可能な開発目標)と密接に関係していることを踏まえたものです。
さて、ILOと日本生活協同組合連合会(日本生協連)は、アフリカの協同組合リーダーが日本の協同組合活動を学ぶ研修プログラムを2010年より毎年実施しています。今までの参加者はエチオピア、ケニア、レソト、ニジェール、ルワンダ、タンザニア、ウガンダ、南アフリカ、ジンバブエの9カ国から延べ31名にのぼります。今年も、プログラムの一環として9月6日に参加者による公開セミナーを開催します。アフリカの協同組合の実態についてお話を聞いてみませんか。
参考1. 1966年の協同組合(発展途上にある国)勧告(第127号)を改定した。