ILO統治機構

第334回理事会

 年3回開かれる理事会の定期会合。政府側28人、労使各側14人の計56人の正理事と、政府側28人、労使各側19人の計66人の副理事で構成。議題は以下の分野別部会に分けて審議されます。

  • 結社の自由委員会報告や事務局長報告などの報告事項、憲章上の義務を含む国際労働機関及び事務局の機能に係わる事項、緊急の問題などを処理する制度機構部会
  • 雇用・社会的保護部門、多国籍企業部門、社会対話部門、開発協力部門の4分野から成る政策開発部会
  • 法務部門と国際労働基準・人権部門の2分野から成る法務・国際労働基準部会
  • 計画・財政・管理部門、監査・監督部門、人事部門の3分野から成る計画・財政・管理部会
  • 2008年の総会で採択された「公正なグローバル化のための社会正義に関するILO宣言」に基づき理事会・総会の機能改善を検討する場として当面開催される理事会・総会機能作業部会

 今理事会の主な達成事項は次の通り。

 2012年の第101回ILO総会の複数の代表からILO憲章第26条に基づき提起された、グアテマラによる「1948年の結社の自由及び団結権保護条約(第87号)」適用についての苦情申立に関しては、6年間に及ぶ状況精査を経て、理事会は、結社の自由の完全な尊重を確保するために政労使間で合意された行程表の完全な実施を政府、労使、その他の関連する公的機関に求めた上で、多数決によって審査手続きの終結を決定しました

 理事会における4回目の審議となったILOとたばこ部門との関わりに関しては、議論の幅を広げ、同産業におけるディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の不足に対処するための総合的な戦略案について、その財源案を含み、検討が行われました。理事会は、政策、社会対話、そしてたばこ栽培共同体の代替的な生計手段への移行を支援する活動に重点を置くこの2019~22年の総合戦略を歓迎し、事務局長に対し、1)直接的な影響を受ける国やたばこ産業の労使の参加も得て、さらなる展開と戦略の実施に関する意見交換を促進する三者構成会議を至急開催すること、2)期限を限った総合戦略について、その費用計算も含み、更新したものを2019年11月の第337回理事会に提出すること、3)短期的に通常予算補足勘定その他の公的資金を用いて、現在継続中の児童労働撤廃に向けた取り組みをプロジェクトごとに続けること、4)適切な保護措置を施した上で、官民両部門から持続可能な資金源を様々に動員する努力を続けること、を指示しました

 ILOは国連専門機関として、国連で進められている改革プロセスに積極的かつ大幅に関与し、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の効果的な実施を約しています。改革提案に対してコメントし、国連改革がILOに提示する機会と課題について意見を交わす機会を再び与えられた理事会は、ILOの将来にとって重要なこの問題に関する手引きを示しました。理事会はまず、2018年5月31日に国連総会で採択された2030アジェンダの実施に向けた各国の取り組みをよりよく支援するために国連開発システムの能力を高める具体的な措置に関する決定を含む決議と、それがILOの活動にとって持つ意味を特に歓迎した上で、決議の実施及び関連する機関間の調整メカニズムにおいて政労使の三者構成原則と社会的パートナーである労使の特別な役割を確保するよう主導権を取ることを事務局長に要請しました。

 理事会はこのほかに、アラブ被占領地の強化型開発協力計画ILOとカタール政府の間で合意された技術協力計画の実施状況に関する報告書に留意し、包摂的で持続可能な開発のための先住民の権利に関する戦略について検討しました。また、来年の100周年記念ILO総会の議題について検討し、次のアフリカ地域会議を2019年12月3~6日にアビジャン(コートジボワール)で開く取り決めを承認しました。さらに、仕事の未来などの七つの100周年特別イニシアチブの実施状況を点検し、その一つである基準イニシアチブに関しては、国際労働基準適用監視機構の強化に向けた作業計画を検討し、憲章第24条に基づく申立の取扱手続きや批准条約に関する報告のテーマ別分類による合理化などの複数の措置を承認しました。また、技術会議と専門家会議の議事規則の承認によって、2011年に開始された統治機構の見直しを終結させました。

 ILO本部建物の改修プロジェクトは順調に進んでいますが、これに関する最新報告の提出を受けた理事会は関連する決定を下しました。国際人事委員会(ICSC)で進められている地域調整給制度の見直しについては、協議過程への積極的な関与を事務局長に求めました。

 理事会はまた、結社の自由委員会の第387次報告を採択しました。委員会は今回、結社の自由に関する24件の申立を検討し、労働組合関係者の殺害や暴力行為などが問題になっているカンボジア、グアテマラ、ペルー、フィリピン、そして市バス会社労組への抑圧行為などが申し立てられているイランの案件について、その重大性と緊急性から理事会の注意を特に喚起しました。日本のフォローアップ案件として、日本航空乗員組合と日本航空キャビンクルーユニオンが2011年に行った日本航空による特定労働組合の組合員を差別する形での労働者解雇、企業再生支援機構による争議権投票への介入に関する申立も取り上げられました。委員会から出されていた裁判結果についての情報提供を求める要請に応えて、申立人と政府の双方から寄せられた、会社側が最高裁による上告棄却に応じて東京都労働委員会による救済命令に従ったことなどを報告する情報に留意し、労使間の有意義な対話の維持の重要性を再度強調した上で再雇用請求については労働委員会に提起できる道が存在するとの理解の下、委員会は本件に関する審査を終結させました。

詳しくは理事会のウェブサイト(英語)へ---->
第334回理事会の議題・討議資料

会議関連資料(英語)

関連広報資料

参考情報(英語)

Related content

国外会議日程-2018年

国外会議日程-2018年