1952年の社会保障(最低基準)条約(第102号)
正 式 名 : 社会保障の最低基準に関する条約
(第35回総会で1952年6月28日採択。条約発効日:1955年4月27日。情報提供の対象とされている最新の条約)
日本の批准状況:1976年2月2日批准 ◆批准国一覧(英語)
条約の主題別分類:社会保障 条約のテーマ:社会保障
[ 概 要 ] 社会保障制度の最低基準を15部87条にわたり、給付の種類別にきめたもの。 第1部は一般規定として、条約中に使われている言葉の定義、批准の方法その他をきめている。 第2部は医療給付に関して、その保護を受ける者の範囲(全被用者の50%以上の者とその妻子、全住民の20%以上の経済的稼働人口とその妻子、全住民の50%以上の者、例外的として従業員20名以上を使用する事業場における全被用者の50%以上の者とその妻子のいずれかとする)、給付の種類(診療・薬剤・入院・分娩介護・産前産後の手当など)、給付の期間(原則として事故の全期間、ただし病的状態について26週に制限することができる)その他をきめている。 第3部では疾病給付について、保護を受ける者の範囲・給付の期間(期間については3日の待期をきめているほか、範囲・期間共に第2部の規定とほぼ同じである)その他を規定している。 第4部は失業給付で、適用範囲、資格期間、給付期間(被用者を対象とする場合には1年中の13週、全住民を対象とする制度では1年中の26週に制限し、7日の待期を規定できる)その他をきめ、 第5部老齢給付では、適用範囲、資格期間、給付開始年齢、その他を規定している。 第6部は業務災害給付について、既述の各部と同じ事項について定め、 第7部家族給付(所定の子に対する給付)も同様の事項その他をそれぞれきめている。 第8部には母性給付、即ち出産給付についての規定が掲げられており、 第9部の廃疾給付では年金給付の支給、その他をきめている。 第10部の遺族給付についても、他の各部と同じような事項についての規定をもつ。 第11部では上記各給付のうちの定期的支払金の算出方法に関する規定を掲げている(標準受給者に対する定期的支払金の算出基準を附表に示しているが、例えば、失業給付は所定の基本所得の45%となっている)。 第12部には内外人均等待遇の規定を、 第13部では各給付の共通規定(給付の停止規定・救済規定・給付の財源・その他)、 第14部は雑則、第15部は最終規定(批准に関する規定など)となっている。 批准国はこの9つの社会保障分野の3以上を受諾するだけでよいが、日本は第3~6部を受諾している。 この条約以降、1964年の業務災害給付条約(第121号)、1967年の障害、老齢及び遺族給付条約(第128号)、1969年の医療及び疾病給付条約(第130号)が採択されている。日本は、より基準が高い第121号条約を批准したことにより、この条約の第6部は、現在適用されていない。 |
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