ILO Newsletter「ビジネスと人権」

紛争がもたらす人権侵害のリスク

紛争影響下にある地域では著しい人権侵害のリスクが高まっています。侵攻や人権侵害によって目標を達成することは、決して許されるものではありません。「政府、労働者、使用者たちと共に連帯し、国連機関全体で、可能な限りの支援を提供することはILOの責務である」とガイ・ライダーILO事務局長は述べています。

記事・論文 | 2022/04/14
© Aurel Obreja / UN Women 
 
ガイ・ライダーILO事務局長は2022年3月2日、国連総会に出席し、ロシア連邦による、国際法を無視して行われたウクライナに対する、いわれのない不当な攻撃により、多くの人命が奪われ続け、計り知れない人的苦痛がウクライナの人々に与えられていることに対して、非難の意を表明しました。[1]

ロシア連邦によるウクライナ侵攻をめぐり開かれた、国連総会の緊急特別会合では、軍事作戦行動の即時停止を求める決議が採択されました。これを受け、ガイ・ライダーILO事務局長も、ロシア連邦によるウクライナへの侵攻を最も強い言葉で非難し、武力行使の即時停止と、国際的に認められた国境内におけるウクライナ領土からすべての軍事力を無条件で撤退させることを求める声明を発表しました。

ガイ・ライダー事務局長、「これは、ILOの100年にわたる歴史の中で最も暗鬱な時代の一つであり、社会正義を通じて平和を促進するというILOの使命を根底から否定するものである。この攻撃の責任者は、その第一の犠牲者が労働者であることも、雇用、企業、生活の荒廃が大規模かつ長年に渡って続くことも十分承知している」と述べています。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は、ロシア連邦の行為によって、世界は近年で最も深刻な世界平和と安全保障の危機に直面しており、ウクライナへの攻撃は多国間システムの全てに影響を及ぼすと警告しました。

ILOは政府、労働者、使用者と連帯し、他の国連機関と協力して、可能な限りの支援を提供します。ウクライナで起きている出来事に恐怖を感じる者として、私たちは憤りと共に、このような行為を停止させるために実際的に行動するという決意を新たにしなければなりません。侵攻や人権侵害によって目標を達成することは、決して許されるものではありません。私たちは、平和を願う人々に寄り添った支援を提供していきます。

紛争という危機に直面し、国際社会、政労使はより一層連携、協力して、侵攻や人権侵害によって目標を達成することは、決して許されるものではないことを訴えていく必要があります。

参照
[1] ILOウェブサイト:ILO Director-General condemns the aggression of the Russian Federation against Ukraine
https://www.ilo.org/global/about-the-ilo/newsroom/news/WCMS_838518/lang--ja/index.htm