ILO/UNICEF共同報告書
「社会的保護」なく暮らす子どもが増加
ILOとUNICEFは3月1日、社会的保護を受けられない子どもの数が年々増加しているとする報告書を発表しました。社会的保護の欠如が貧困、飢餓、差別につながり、複数の危機によってさらに多くの子どもたちが貧困の淵に立たされる可能性があるとして、拡充が急務と警鐘を鳴らしています。
社会的保護には、保健医療や、老齢、失業、疾病、障害、業務災害、出産あるいは主たる所得稼得者の死亡に関連する所得保障や、子どものいる世帯向けの所得保障などがあります。
今回の報告書 More than a billion reasons: The urgent need to build universal social protection for childrenによると、児童手当(現金支給や税額控除など)を受けられない15歳未満の子どもが世界で計14億6000万人に上ると報告。2016年から2020年にかけて、その数は5000万人増加したと述べています。また、同期間の児童手当と家族手当の適用率については世界的に低下もしくは停滞しているとしました。18歳以下の子どもでは、17億7000万人が児童手当や家族手当を受けずに暮らしているとも述べています。
世界の子どものうち「極度の貧困」(1日1人当たりの収入が購買力平価(PPP)で調整後の1.90米ドル未満)にあるのは、約3億5600万人とみられます。また、教育、保健、住宅、栄養、衛生、安全な水へのアクセスがない「多次元貧困(multidimensional poverty)」の中で暮らす子どもは10億人に上ります。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行中にこのような多次元貧困の中で暮らす子どもたちは15%増加し、子どもの貧困削減におけるこれまでの歩みは後退。社会的保護の緊急な必要性を浮き彫りにしました。
報告書はまた、世界ではほぼ全ての国で、政府が子どもや家庭の支援のために、既存の制度を迅速に適応させたり、新しく社会的保護制度を導入したりしたが、ほとんどが将来起こり得るショックから保護できるだけの恒久的な改革には至らなかった、と述べています。
さらに、持続可能な開発目標(SDGs)では、最低限の基準を含む適切な社会的保護制度と対策を実施し、2030年までに貧困層・脆弱層に対する十分な保護を達成するというターゲットを掲げているが、この実現に向けて進んでいる国はない、としています。
以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。
社会的保護には、保健医療や、老齢、失業、疾病、障害、業務災害、出産あるいは主たる所得稼得者の死亡に関連する所得保障や、子どものいる世帯向けの所得保障などがあります。
今回の報告書 More than a billion reasons: The urgent need to build universal social protection for childrenによると、児童手当(現金支給や税額控除など)を受けられない15歳未満の子どもが世界で計14億6000万人に上ると報告。2016年から2020年にかけて、その数は5000万人増加したと述べています。また、同期間の児童手当と家族手当の適用率については世界的に低下もしくは停滞しているとしました。18歳以下の子どもでは、17億7000万人が児童手当や家族手当を受けずに暮らしているとも述べています。
世界の子どものうち「極度の貧困」(1日1人当たりの収入が購買力平価(PPP)で調整後の1.90米ドル未満)にあるのは、約3億5600万人とみられます。また、教育、保健、住宅、栄養、衛生、安全な水へのアクセスがない「多次元貧困(multidimensional poverty)」の中で暮らす子どもは10億人に上ります。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行中にこのような多次元貧困の中で暮らす子どもたちは15%増加し、子どもの貧困削減におけるこれまでの歩みは後退。社会的保護の緊急な必要性を浮き彫りにしました。
報告書はまた、世界ではほぼ全ての国で、政府が子どもや家庭の支援のために、既存の制度を迅速に適応させたり、新しく社会的保護制度を導入したりしたが、ほとんどが将来起こり得るショックから保護できるだけの恒久的な改革には至らなかった、と述べています。
さらに、持続可能な開発目標(SDGs)では、最低限の基準を含む適切な社会的保護制度と対策を実施し、2030年までに貧困層・脆弱層に対する十分な保護を達成するというターゲットを掲げているが、この実現に向けて進んでいる国はない、としています。
以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。