トルコ・シリア地震

ILOがシリア被災地入り 緊急雇用スキーム実施へ  

記者発表 | 2023/02/16
2月6日にトルコで起きた地震で隣国シリアにも深刻な被害が発生しています。ILOアラブ総局次長のピーター・ラドメーカーは15日、シリアのアレッポで被災者の生活再建を支援する準備を行うため、被災地を訪れました。

今回ILOが現地パートナーやほかの国連機関と行うのは「緊急雇用スキーム」で、倒壊したインフラの復旧と、雇用創出を通じて被災者がすぐに収入を得られるようにすることが目的です。ILOは被災地域の住民や現地の労働組合、商工会議所、国連スタッフらを訪ね、復興作業にあたってどのような連携や支援ができるかを話し合いました。
 
緊急雇用スキームでは、「雇用集約型投資(EII)アプローチ」を通じて、被災地域の住民の生活再建をサポートします。雇用を創出し当面の収入を確保できるようにするほか、インフラの復旧、住民や地域全体のスキル向上を通じ、地域経済を刺激することで複合的な効果を見込んでいます。

雇用集約型投資アプローチでは、復興作業の初期段階からディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の原則を取り入れます。労働者の技能と雇用可能性を上げ、労働条件の改善に重点を置きつつ、長期的にはディーセント・ワーク推進の道筋をつけることもできます。

ILOは、雇用集約型インフラを専門とする技術者チームを通じて、これらの実施について、現地パートナーと詳細な調査をする予定です。調査結果に基づいて、より広範な国連からの支援に関して、政府との間で調整していくことになっています。

アラブ総局次長のラドメーカーは「ILOは過去にも被災地を支援してきました。その経験から申し上げるに、労働力と地域の資源を最大限に活用し、生産的なインフラを復旧させる雇用創出のアプローチは、生活再建を支え、地域の財産となるでしょう」と話しています。

以上はシリア・アレッポ発英文プレスリリースの抄訳です。