「繊維産業における責任ある企業行動ガイドライン」
策定に向け初の労使対話を開催

この労使対話は、JTFがILOやオブザーバーとして参加する経済産業省と作成中の「繊維産業における責任ある企業行動ガイドライン」で明らかになった課題を共有するために開催されました。国際基準では、このような労使協議自体が「エンゲージメント」と呼ばれる利害関係者との有意義な協議と位置付けられており、企業が人権尊重責任を果たす環境をつくるための取り組みの一つとされています。今回の協議でILO駐日事務所は、協議をファシリテートする(促す)役割として参加しました。
冒頭でJTFの富𠮷賢一副会長は「国際的な流れの中で日本でも人権DDに対応しなければならない」とあいさつし、続いてUAゼンセンの松浦勝治政策局長が「経営者からは安心できる対話(の姿勢)を強く打ち出してほしい」と話しました。
会議には専門家として、関西大学の後藤健太教授と日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所の山田美和主任調査研究員も参加。後藤教授は「賃金や生産性に投資する企業は人が定着し、好循環を生み出す」と述べ、山田氏は「労働者に対する企業からの負の影響をなくすのがビジネスと人権の取り組み。その覚悟を経営者にしっかり持ってもらうのが重要」と強調しました。
ILO駐日代表の高﨑真一は閉会のあいさつで「人権尊重の責任を果たすため、企業は組合の役割を再認識しつつある。取り組みの客観性と正当性の担保のためにも労使双方は継続的に協働を」と締めくくりました。