労働者の権利

ILOがメキシコのゼネラルモーターズ社工場における労働協約を巡る投票に監視団を派遣

記者発表 | 2021/07/30

 ILOはメキシコ米国両政府の依頼を受け、8月にメキシコのシラオ市にあるゼネラルモーターズ社工場で実施される労働協約確認のための投票に国際監視団の一員として参加します。

 米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の迅速対応労働メカニズム(RRLM)の下で2021年7月8日に発表された両国政府の合意した是正方針の一環として発されたこの要請は、同工場で先に行われた投票に先立ち、投票の過程で、そして投票を巡る不正懸念に関連して米国政府から出された、労働者の結社の自由及び団体交渉の権利否定の有無の点検要望に関わるものです。2021年8月17~18日に予定されている投票の目的は、ゼネラルモーターズ社の工場労働者が現在締結されているミゲル・トルヒージョ・ロペス労働組合の労働協約を確認するか否定するかを決定することです。

 ILOの職員らは投票前及びその最中に工場に留まり、ハラスメントと威嚇のない民主的な環境を支持あるいは妨げる状況や行動、そして労働者が個人で自由かつ秘密が守られた形で投票できる状況や行動について監視します。労働者が労働協約に関する正確な情報を得られているかについても監視します。ILOはこの手続きに関する情報収集における自らの慣行及び手順に従い、監視結果を両国政府と共有します。メキシコ政府は今後定める期間内に投票結果を発表します。ILOもこの手続きの最後に声明を発表します。

 労働協約とは組合または労働者の利益を代表する労働者団体と、使用者または使用者団体との交渉の結果として雇用条件を決定するものであり、典型的には賃金や労働時間と時間外労働、福利、当事者間の関係などが含まれます。

 ILOとその187加盟国政労使は、結社の自由と団体交渉はこのテーマに関するILOの条約で世界的に守られている基本権であると定めています。メキシコは関連するILO条約である「結社の自由及び団結権保護条約(第87号)」と「団結権及び団体交渉権条約(第98号)」のどちらも批准しており、労使の権利を守る国内法を制定しています。


 以上は英文記者発表の抄訳です。