労働衛生

世界の健康を促進するパートナーシップにILOも参加

記者発表 | 2021/02/09

 ILOはこの度、「全ての人の健康な暮らしと福祉のための世界行動計画(SDG3 GAP)」の13番目の参加機関となりました。

 「持続可能な開発目標(SDGs)」には、健康と福祉に焦点を当てている3番目の目標を始め、17の目標の多くに健康問題が盛り込まれていますが、SDG3 GAPとは、2030年の目標達成年までに各国が健康関連のSDGsを達成するのを支援するために健康、開発、人道活動を専門とする多国間機関が結束したパートナーシップです。このパートナーシップには他に、「ワクチン・予防接種のための世界同盟(Gavi)」、「女性、子ども、青少年のためのグローバル・ファイナンシング・ファシリティ(GFF)」、世界エイズ・結核・マラリア対策基金、国連合同エイズ計画(UNAIDS)、ユニットエイド、国連開発計画(UNDP)、国連人口基金(UNFPA)、国連児童基金(UNICEF)、国連女性機関(UN Women)、世界銀行グループ、国連世界食糧計画(WFP)、世界保健機関(WHO)が参加しています。

 ガイ・ライダーILO事務局長は次のように語っています。「新型コロナウイルス(COVID-19)危機は健康と社会的要素とディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の相互作用を明確に示し、この三つの分野全てに対する投資が決定的に必要なことに光を当てました。これは回復を育み、より持続可能で公平な開発の道へと導くものです。同様に、全ての人に保健医療を確保するユニバーサル・ヘルス・カバレッジに向けた進展を図るには、労働者の健康と保健医療・ケア人員への投資が必須です。SDG3の達成を望むならば、協力を増す必要があります。このパートナーシップに参加することによってILOは整合の取れた多国間の取り組みを通じてコロナ禍の最中もそしてそれ以降も諸国を支援するとの公約を再確認するものです」。

 ILOの可能な協力・貢献分野としては、保健財源、社会的保護、労働安全衛生、男女平等、保健医療従事者の権利・基準・条件などを挙げることができます。

 ILOでは例えば、新型コロナウイルスの世界的大流行の中で各国が労働者の生命と健康を守るために発動した立法・政策対応を概括した調査研究資料を発表しています。新型コロナウイルスの職業病指定、新型コロナウイルス特定の労働安全衛生規則の整備、新型コロナウイルスの影響を受けた労働者の保健医療や疾病給付、感染の危険が高い高リスク集団に属する労働者の保護、柔軟な労働時間や労働時間短縮などの特別の就労取り決めと休暇資格の付与、労働者の精神衛生と福祉、テレワークとそれに関連した労働安全衛生措置などの分野における世界35カ国の政策・立法対応をまとめた資料は、新型コロナウイルス危機は職場における健康保護の決定的な重要性に加え、労働衛生、公衆衛生、社会的保護の諸政策の強い相互依存関係を明らかにしたと結論づけ、今回実施されている新たな特別規則は現在の危機後にも適応・延長して適用できる潜在力を秘めていると記しています。


 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。