開発協力

新型コロナウイルスの影響を受けている衣料労働者を守るILOとドイツの事業計画が発進

記者発表 | 2020/09/08
© ILOベターワーク計画

 ドイツ連邦経済協力開発省はこの度、世界7カ国で新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受けている衣料部門の労働者を支援するILOの事業計画に1,450万ユーロ(約18億4,000万円)の任意資金協力を行うことを発表しました。同省が同国労働省と共同で進めているこの事業は、ドイツが地球規模で展開している新型コロナウイルス緊急支援計画の一部です。

 新型コロナウイルスに関連した各種の制限と保健措置、それに伴う一般的な事業の不確実性は衣料部門のグローバル・サプライチェーン(世界的な供給網)の労使に破壊的な社会・経済的影響を与えています。多くの生産工場が活動を縮小あるいは一時的に休止し、完全に閉鎖したところもあります。その結果、多くの労働者が労働時間の減少や一時解雇といった影響を受けていますが、ほとんどが解雇手当も失業給付も受けていません。この結果、女性を中心とする多数の貧困労働者が収入源を絶たれています。

 新型コロナウイルス危機とそれに関連した社会・経済的影響の前代未聞の規模と性質に鑑み、この事業計画は複数の援助国・機関の参加を募っており、個人用保護具や現金給付の支給、労働安全衛生に関する啓発キャンペーンの展開、さらに将来的なショックに対する人々の強靱な耐力構築を目的とした社会的保護及び労働安全衛生に関する政策助言の提供といった活動が予定されています。この取り組みは目前の人道的なニーズを満たす活動を、国の政策枠組みの一部である、より長期的で持続可能な解決策の構築と結びつけるものとなります。

 バングラデシュ、カンボジア、エチオピア、インドネシア、ラオス、マダガスカル、ベトナムの7カ国で実施されるこの事業計画は、総合的な戦略の下、民間企業と労働者の両方の経済活動再建支援、サプライチェーンのさらなる途絶の緩和、女性を中心とする衣料品部門労働者への直接支援の提供を目指します。これはグローバル・サプライチェーンにおける深刻なあるいは死亡者を出す労働災害・職業病の根絶を目指すビジョン・ゼロ基金(VZF)社会的保護分野の活動ベターワーク(より良い仕事)計画といったILOの既存の三つの活動分野の国別活動を土台とし、地元に既に存在しているネットワークや事業を活用して進められます。4月に出された「グローバル衣料産業における行動の呼びかけ」の実践も支援します。ウイルスの流行に対する官民両部門の対応調整を支援することによって危機対応の全体的な効率性や整合性にも寄与することが期待されます。

© ILOアフリカ連合(AU)・国連アフリカ経済委員会(ECA)特別代表部兼エチオピア・ジブチ・ソマリア・スーダン・南スーダン国別事務所

 ドイツのゲルト・ミュラー経済協力・開発大臣は、若い母親や貧困に陥る危険性が特に高い労働者に対する一回限りの支援金払い、労働者の健康保護を目指した検査能力の構築などの措置を通じて数十万人分の雇用が維持されることを目指していると説明しています。

 ムサ・ウマルILO現地業務・パートナーシップ担当副事務局長は、新型コロナウイルスから得られた重要な教訓として、企業の生き残り努力と共に仕事や収入を失った労働者の両方に対する即時支援が必須であることを指摘し、このような即時の人道支援を、より良い立て直しに向けたより長期的な計画の一部にすべきことを説いています。

 ドイツの拠出金は地球規模の迅速な活動の開始を可能にするものですが、この活動がニーズを抱える全ての人を支援できるためには、さらなる資金拠出が求められています。


 以上はパートナーシップ・現地業務支援局によるジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。