同一賃金国際デー

新型コロナウイルスからの回復において賃金の衡平性を優先させよう

記者発表 | 2020/09/18
2020年同一賃金国際デー・イベント模様(英語・1時間36分32秒)

 国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が定める持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット8.5は、2030年までに同一価値労働同一賃金を達成することを呼びかけています。ILO、国連女性機関(UN Women)、経済協力開発機構(OECD)が主導して2017年9月18日に発足した「同一賃金国際連合(EPIC)」は、男女同一賃金を世界中で現実のものとすることを目指し、政府、使用者、労働者、労使団体が調整を図った具体的な歩みを達成するのを支援するために多様な行動主体と専門知識の結集を図っています。

 この誕生を記念して、国連は2020年から9月18日を「同一賃金国際デー」に定め、同一価値労働同一賃金原則の達成に向けた関係者の努力を讃え、さらなる行動を呼びかけると共にこの目標を引き続き支援するよう奨励することとしました。

 初の国際デー当日、EPICはニューヨークの国連本部でイベントを開催し、世界中の新型コロナウイルス(COVID-19)からの回復努力の中心に賃金の衡平性が存在するよう確保するために必要な措置を講じることを世界の指導者らに向けて呼びかけました。

 新型コロナウイルスは私たちの社会と経済が、必要不可欠でありながら、しばしば低く評価され、無償で提供されている女性や少女の労働の上に成り立っているという事実に光を当てることになりました。世界の保健医療従事者の7割を占める女性は必要不可欠業務に従事する労働者、地域社会の指導者、育児や介護といったケアの担い手、ソーシャルワーカーとして最前線でウイルスと戦っています。新型コロナウイルスの登場前から女性は平均で男性の3倍の無償ケア労働を担っていましたが、ウイルスが流行し始めてからは休校や保育施設の閉鎖、高齢の家族の介護ニーズの増大によってこの責任がさらに重くなっています。

 働く女性はまた、新型コロナウイルスによる短期的な景気下降の影響を不均衡に大きく受けています。宿泊、飲食、小売業などの顧客との物理的な相互作用に頼る産業部門の多くが女性労働者の主な受け入れ先ですが、ウイルス流行の経済的な影響によって深刻な打撃を受けています。女性はさらに、家事労働者やグローバル・サプライチェーン(世界的な供給網)の下層に位置する家内労働者、家族の事業に貢献する家族従業者として非公式(インフォーマル)経済の最も脆弱な集団に属している可能性が男性よりもずっと高くなっています。その結果、解雇に対してもほとんど保護されておらず、有給疾病休暇を含み社会的保護はほとんど得られません。

 イベントでEPICは統合的な政策対応が仕事や収入の喪失緩和を目指すこと、そして女性がウイルスの流行に基づく雇用喪失や収入減の影響を不均衡に重く負担してしまうことにならないよう確保することを政府、使用者、労働者、労使団体、民間セクター、市民社会、学界に向けて呼びかけました。イベントでは世界のリーダーらから賃金格差の縮小に向けた積極的な措置を講じるとの公約も表明されました。

 イベントに参加した女子サッカー米国代表チームのミーガン・ラピノー主将は、同一賃金擁護者としての自身の個人的な経験を振り返った上で、次のように発言しました。「女性に頑張って戦ってもらう必要があります。法を成立させ、施行する政治的な意思が必要です。社会的な意思も必要です。世界が望まないならば、世界中の法案が無駄になります。あらゆる角度からそれに取り組む必要があります」。

 イベントでは、アイスランドのグドゥニ・ヨハネソン大統領、国際使用者連盟(IOE)のロベルト・スアレス=サントス事務局長、国際労働組合総連合(ITUC)のシャラン・バロウ書記長などを含むEPIC運営委員会の全代表、そしてガイ・ライダーILO事務局長、プムズィレ・ムランボ=ヌクカUN Women事務局長、アンヘル・グリアOECD事務総長といったEPIC事務局トップによる集団的なメッセージの発信も行われました。このメッセージは、包摂的かつ強靱で持続可能な回復の中心的な推進要素としての同一価値労働同一賃金の達成を優先させ、無償ケア労働の価値を認め、保育や医療などの手頃な料金のサービスへの道を開くような新型コロナウイルス経済対応が提唱されました。EPIC運営委員会の議長を務めるシルビー・ドュレー・スイス連邦男女平等局長は、「一緒に取り組んで初めて、対応・回復努力がより包摂的で公正な仕事の世界の構築につながることを確保できます」と述べて、この取り組みにおけるパートナーシップの重要性を強調しています。


 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。