コロナウイルスと仕事の世界

コロナウイルス危機に際し、「尊厳と敬意」をもって船員の処遇を:海上の労働に関する条約の特別三者委員会が呼びかけ

記者発表 | 2020/03/31

 新型肺炎コロナウイルス(COVID-19)の世界的大流行に対して各国で移動に制限が課される中、船員にマスクやつなぎ、その他の個人用保護具を支給するために乗船しようとした供給業者が乗船を差し止められたり、コロナウイルスの流行が見られる地域に停泊していた船舶が入港を拒否されて必需備品を入手できなかったケースが発生していることを懸念し、ILOの「海上の労働に関する条約」に基づいて設置されている特別三者委員会は、委員長、副委員長の役員名で、コロナウイルスの世界的大流行に際し、船員を「基幹労働者」扱いとし、移動制限の適用除外とすることを求める共同声明を発表しました。

 船員、船舶所有者、政府を代表する委員会の声明はまた、ILO加盟国に対し、「必要不可欠な医薬備品、燃料、水、部品、糧食の船舶配達に際し、可能な限りのあらゆる便宜を図ること」を呼びかけています。コロナウイルスの流行病は世界貿易の9割を担う世界の海運業、そして200万人近い船員の労働条件に大きな影響を与えています。「他のあらゆる人々同様価値ある船員は、貴重なサービスを確実に世界に提供し続けることができるよう、尊厳と敬意をもって扱われるべき」と説く声明はさらに、「船舶及びその操船に携わる船員の安全かつ効率的な移動を妨げる措置」によって、世界中で必要不可欠な商品、エネルギー、食料、医薬品、その他多くの製品の流れが途絶えないよう確保することの重要性も強調しています。

 ガイ・ライダーILO事務局長も「この難しい時代において、船員がその決定的に重要な役割を演じ続けられるよう、コロナウイルスの世界的な大流行から十分に守られ、医療機会を与えられ、必要に応じて船舶を乗り降りできるよう確保すること」を各国政府に呼びかけました。そして、コロナウイルスの大流行がもたらした海事部門における危機に対応するための、社会的パートナーである労使団体と国際社会による調整を図った取り組みを歓迎しました。

 船員の権利について規定する「海上の労働に関する条約」は、合計船数で世界の全商船の91%以上を代表する、日本を含む96のILO加盟国によって批准されています。条約は、雇用条件や労働・休息時間、送還、上陸、居住設備、レクリエーション用の設備、食料及び料理の提供、健康保護、医療、厚生、社会保障による保護など、船員の労働条件のほぼあらゆる側面について最低限の要件を定めています。


 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。