ILO/東京2020組織委員会協力覚書

東京オリンピック・パラリンピックを前にILOと東京2020組織委員会がディーセント・ワーク促進に向けた合意書を締結

 2020年に開かれる東京オリンピック・パラリンピック競技大会を前に、ILOと東京2020組織委員会は社会的責任ある労働慣行の促進に向けた合意書を締結しました。

記者発表 | 2018/04/26
協力覚書に署名した東京2020組織委員会の武藤敏郎事務総長とILO事務局長(写真左から)© Shugo TAKEMI/Tokyo 2020 & Marcel CROZET/ILO

 ILOと公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)は、2020年に開かれる国際スポーツイベントである東京オリンピック・パラリンピック競技大会の準備・運営過程でディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を促進する合意書を締結しました。

 2018年4月26日に開かれた締結式において、ILOを代表して協力覚書に署名したガイ・ライダー事務局長は、このパートナーシップを通じて「東京2020大会の実現に向けて努力を傾注されている全ての方々に対する国際労働基準の尊重を支えることを共に公約します」と説明しました。東京2020組織委員会を代表して覚書に署名した武藤敏郎事務総長は、「世界にポジティブな変革をもたらす大会とする」という東京2020大会のビジョンを強調した上で、「両者の協力によって、ディーセント・ワークの実現というポジティブな変化を残すこと」が、大会の重要なレガシーになることへの希望を表明しました。

 このパートナーシップは、企業がCSR(企業の社会的責任)を通じてディーセント・ワークの促進においてポジティブな役割を担うよう奨励するものです。これに基づき、以下のような協力活動が予定されています。

  • 労働CSRに関する啓発活動
  • 大会のデリバリーパートナー(スポンサー、サプライヤー、ライセンシーなど)間における好事例の普及
  • セミナーやワークショップの開催を通じた大会デリバリーパートナーのディーセント・ワークを前進させる能力の向上
  • 大会デリバリーパートナーによる社会的責任ある労働慣行の実践を助けるツールの頒布

 ライダー事務局長は、企業が人権や労働者の権利に対する否定的な影響を回避しつつ、包摂的で持続可能な開発に貢献することを奨励する上で私たちを導くものとして、ILOの「多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言」を紹介しました。

 自由、公平、安全保障、人間の尊厳といった条件下での仕事を意味するディーセント・ワークは、国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が掲げる17の持続可能な開発目標(SDGs)の8番目の目標です。SDG8は「持続可能で包摂的かつ持続的な経済成長、生産的な完全雇用及びすべての人々のディーセント・ワーク」を目指しています。

 国際オリンピック委員会(IOC)もオリンピック・ムーブメントに従事する従業員やボランティア、請負業者の保護を求めています。また、IOCの持続可能性戦略は安全で健康的な作業環境の確保を組織委員会に要請しています。


 以上は東京発英文記者発表の抄訳です。