若者のための働きがいのある人間らしい仕事グローバル・イニシアチブ

若者のための働きがいのある人間らしい仕事グローバル・イニシアチブのパートナーらが共同行動に従事できるオンライン・プラットフォームを開設

記者発表 | 2017/11/29

 2017年現在、世界全体で失業中の若者は7,090万人、働いていても貧しい若者は1億6,060万人を数えると言われます。この政策課題はますます注目を集めるようになってきているものの、若者の就労に関する投資は依然として分散した小規模なものに留まっています。こういった現下の課題に応え、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を支え、若者の就労に係わる活動とその影響力の拡大を目指して国連システム全体が関与した初の地球規模の取り組みとして、2016年に「若者のための働きがいのある人間らしい仕事グローバル・イニシアチブ」が誕生しました。

 グローバル・イニシアチブは2017年11月29日、若者の就労に対する実効性ある投資を強めることを目指し、共同行動と協力に従事できる場となるオンライン・プラットフォームの開設を発表しました。加盟国の上級代表や社会的パートナーである労使、国連諸機関、企業、若者、市民社会の代表が多数参加した開設式典を主宰したガイ・ライダーILO事務局長は、「プラットフォームの中心は若者の就労促進というパートナーらの公約」と説明しています。ライダー事務局長は、「至る所の若者の暮らしに違いをもたらすために、共に働こうではありませんか」として、イニシアチブに参加するパートナーに加え、若者の就労を主導する世界中の指導者や専門家に向けてプラットフォームへの参加を呼びかけています。

若者のための働きがいのある人間らしい仕事グローバル・イニシアチブのオンライン・プラットフォーム開設式典(英語)

 プラットフォームは各国、地域、世界の各レベルで、若者の就労に係わる活動に関して既に見られる取り組みの規模拡大、触媒作用によるパートナーシップの促進、活動の整合性強化のための包摂的な場を提供します。ここで行われた公約は国連の持続可能な開発目標(SDGs)のためのパートナーシップのオンライン・プラットフォームに直接流し込まれ、持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラムを含む2030アジェンダのフォローアップ活動に伝えられます。

 「若者のための働きがいのある人間らしい仕事グローバル・イニシアチブ」は、若者のためのより多くのより良い仕事に向けて注力することを約したパートナーらが多様な優先テーマにわたって調整を図った行動を取り、知識を共有し、資金のてこ入れを図る複数利害関係者の連合体です。多岐の分野にわたるパートナーが参加を唱え、支持を約しています。式典では、スペインとルクセンブルクの政府がこのパートナーシップに高い価値を付していることを明らかにした上で、改めて貢献を約しました。国連常駐代表を務めるスペインのゴンサレス=アリェル・フラド大使は「絶えず変化し、相互に接続された世界において成功を達成できるのは、努力の結集と協働を通じてのみ」と語っています。アジタ・ベラル・アワドILO雇用政策局長は、グローバル・イニシアチブの活動の基盤となっている15の指導原則に光を当て、需給両面の介入活動に対する投資、公共政策と民間投資の整合性と補完性、そして人権、男女平等、若者の関与を促進する必要性を強調しました。

 グローバル・イニシアチブの優先テーマと密接に関連したものとして、ILOは式典において、「良質の見習い研修のためのILOツールキット」を発表しました。2巻構成のツールキットには、1)有意義な社会対話、2)しっかりとした規制枠組み、3)すべての利害関係者の明確な役割と責任、4)政府と使用者の間の公平な資金負担の取り決め、5)修了者の就業能力が確保されるよう労働市場に強く関連していること、6)包摂性の六つの戦略構成要素を基礎に、見習い研修の制度及びプログラムの設計及び実施を改善するための様々な資料が詰め込まれています。今回発表された第1巻の政策策定者向けの手引きに加え、来年、実務者向けガイドの第2巻が発表されます。


 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。