仕事の未来

仕事の未来を取り巻く主な機会と課題に的を絞ったILO仕事の未来世界委員会初会合

記者発表 | 2017/10/23
ILO仕事の未来世界委員会

 2019年の創立100周年に際し、社会正義の達成というその任務の前進を図るため、ILOは現在、仕事の世界で進行中の主な動きをより良く理解し、新たな課題により効果的に応えることを目指し、「仕事の未来100周年記念イニシアチブ」を展開しています。2013年に開始されたこのイニシアチブの第1段階は各国・小地域レベルでの対話を通じてILO加盟国から仕事の未来に関する見解を提供してもらうことでした。イニシアチブの第2段階として、仕事の世界で進行中の変容の動きを評価し、進むべき前途に関する提案を行うことを任務として今年8月に設置された「仕事の未来世界委員会」の初会合が2017年10月20~22日にジュネーブのILO本部で開催されました。

 慶應義塾大学商学部の清家篤教授(前塾長)を含む28人の委員は、科学技術、人口動態、気候変動、グローバル化という変化の主な推進要素、そして社会正義が確保された仕事の未来に向けて取り組むべき課題と推進すべき機会について掘り下げた議論を行いました。女性労働力の役割の変化、教育と技能の重要性、仕事の世界における貧困と不平等と非公式(インフォーマル)性の関係、若者の展望、企業・使用者・労働組合の役割、仕事の世界に影響を与えると見られる社会の価値と選好の進化などといった特定のテーマも取り上げられました。委員会では世界中の社会で関心の中心にある仕事の世界に関する重要な問題に影響を与える行動を生み出す必要性が強調されました。委員会は100周年記念総会となる2019年のILO総会に提出される報告書を準備することになっていますが、ここに含まれる提案をまとめるために関連する行動主体や利害関係者に接触することも計画されています。

 委員会の共同議長を務めるモーリシャスのアミーナ・ギュリブ・ファキム大統領は、「私たちが現在暮らす世界はグローバル化されており、もはや地域や国の問題ではなく、グローバルな性質を帯びたこれらの問題に取り組むに当たり、グローバルな連帯が必要」と説いています。もう一人の共同議長であるスウェーデンのステファン・ロヴェーン首相は、「私たちが論じているのは、ほんの2、3人のためではなく、皆のために機能する世界経済の必要性」と指摘しています。

 委員会は2018年2月にジュネーブで次の会合を持つ予定です。


 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。