G20訓練戦略

ILOとロシアがG20訓練戦略適用プロジェクト第2期について議論

Press release | 06 July 2017
ILOとロシア政府によるG20訓練戦略適用プロジェクト第2期検討会(モスクワ・2017年6月30日)

 主要20カ国・地域(G20)は、強固で持続可能かつ均衡ある成長における技能開発の役割の重要性を認め、今日及び将来の仕事に必要な技能を人々に備えさせる堅固な訓練戦略の策定をILOに要望しました。ILOはこれに応えて策定した「強固で持続可能かつ均衡ある成長に向けた高技能労働力のためのG20訓練戦略」の実施を2012年からロシアと協力して支援しています。生産性、競争力、成長を支える技能開発に関する地域及び世界の取り組みの強化に向けたロシア政府の持続的な公約を表すこの事業は、ロシア国内5地方とアルメニア、ヨルダン、キルギスタン、タジキスタン、ベトナムの5カ国で、人々の就業能力改善に向けて技能開発に関する国の制度、政策、戦略の強化を目指しています。

 ロシア財務省は既にこの事業の第2期実施分として1,200万ドルの任意拠出を行う意向を表明していますが、2017年6月30日にモスクワで開かれた会合で事業の詳細が話し合われ、プロジェクト文書が承認されました。ロシアのパベル・ゼンコビッチ文部・科学次官と財務省国際金融協力局のアンナ・バルコバ次長が共同議長を務めた会議には、文部・科学省、財務省、労働・社会的保護省、外務省の上級幹部に加え、労使団体その他の利害関係者、ILO職員が出席しました。ILO技能・就業能力部のジルマ・アグネ部長は、プロジェクトの継続を可能にしたロシア政府の決定に感謝の意を表した上で、関係する現地事務所とディーセント・ワーク国別チームを通じて活動を支援することを約しました。

 全ての受益国の主な利害関係者との密接な協議を経てまとめられたこの事業は、◇特定された優先事項に沿って、訓練に関する国の政策、制度、戦略を見直し、改革し、実行する政府及び利害関係者の能力増強、◇職業基準、資格、職能を基盤とした訓練プログラム、評価手段の生成・適用能力の育成を通じた諸経済部門における技能訓練制度の強化、◇ロシアの産業及び技術・職業教育訓練専門家の参加を得た上でのモスクワ経営大学院(スコルコボ)によるロシア国内5地方及び特定産業部門並びに特定受益国における技能・科学技術の予見方法論及び技術・職業教育訓練機関管理者研修プログラムの向上及び適用といった目標を掲げ、3年間の事業期間中、少なくとも75の訓練イニシアチブ、パイロット事業、知見共有イベントを実施し、1,460人以上の参加を得ることを目指しています。男女平等の促進はプロジェクトのあらゆる側面の必要不可欠な戦略要素の一つであり、参加者の最低3割を女性とすることが定められています。

 プロジェクトの主な重点は受益国に出来合いの訓練商品を提供することではなく、既存の技能開発制度を分析・改善する国家、地域、産業部門毎の能力育成に置かれます。

* * *

 以上はILO東欧・中央アジア・ディーセント・ワーク技術支援チーム(DWT)兼国別事務所によるモスクワ発英文記者発表の抄訳です。