ILO事務局長

ガイ・ライダーILO事務局長再選:2期目5年の任期を2017年10月1日から開始

記者発表 | 2016/11/07
写真:再選されたライダー事務局長

 ガイ・ライダー現ILO事務局長の任期が来年9月末で満了するのに合わせ、現在ジュネーブのILO本部で第328回の会合を開催中のILO理事会で2016年11月7日に行われた投票の結果、唯一の候補者であったライダー事務局長が正理事56票中54票を獲得して再選されました。これにより、ライダー事務局長は2017年10月1日から2期目5年間の任期を務めることとなります。

 再選の報を受けたライダー事務局長は、改めて信頼を示してくれた理事に感謝の意を表しました。そして、この2期目の任期は「仕事の世界が前代未聞の変革をもたらすような変化」を遂げつつある中で開始されるであろうことを認め、「この変化を支配するために私たちが有する一つの資産」として「私たち独特の三者構成」を挙げ、仕事の未来を形作り、国際的な政策策定の道しるべとして改めて社会正義を唱える上で、政府、使用者、労働者の代表が演じるであろう重要な役割を強調しました。さらに、「強く不安を生じさせるほどの規模での社会正義の否定は、私たちの社会の安定性、そしてやがては平和に対する真の脅威を構成する」ことに注意を喚起して、ILOを主導機関として、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を通じて国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の達成を図ることを加盟諸国に呼びかけました。

 2012年の就任以来、ライダー事務局長は、主要20カ国・地域(G20)やBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)、脆弱国や紛争被災国の集合であるg7+グループにおけるILOの役割を強め、普遍的社会的保護などの分野において世界銀行との新たな事業を育み、「ディーセント・ワークをすべての人へ」というILOの目標が国連の2030アジェンダで中心的な位置を占めるよう働きかけました。

 1956年英国リバプール市生。ケンブリッジ、リバプールの両大学で学位を取得。イギリス労働組合会議(TUC)国際局を皮切りに、国際畑を中心とする約30年の仕事の世界における活動経験を保有。1998年ILO労働者活動局長。その後、国際自由労連(ICFTU)と国際労働組合総連合(ITUC)の書記長を経て、2010年に再びILOに戻り、国際労働基準及び労働における基本的原則・権利を担当する総局長に就任。2012年5月に第10代ILO事務局長として選出され、同年9月にフアン・ソマビア前事務局長からその任を引き継ぐ。

ライダーILO事務局長再選演説(英語)

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 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。