第326回ILO理事会グローバル化の社会的側面作業部会

世界的な移住危機:仕事の世界を解決策の一部に

記者発表 | 2016/03/21

 第326回ILO理事会の一環として、3月21日に開かれた「難民その他の移転を強いられた人々が労働市場に与える影響」に関するハイレベル・パネル討議では、世界的に影響が広がっているこの前代未聞の規模の問題について幅広い意見交換が行われました。労働市場への影響や許容できない就労形態への取り組みなど、ILOの対応をその付託された任務の枠内に留めることを求める声が強かったものの、難民等の帰還後の生活安定のためにもディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の機会を集団的な対応の中心要素とすべきとの合意が達成され、問題の検討をさらに続けることが提案されました。

 ガイ・ライダーILO事務局長は開会挨拶で、シリアをはじめ世界各地に数百万人存在する難民の問題はグローバルな解決策を要するグローバルな問題であることを強調し、難民対応における仕事の重要性に対する認識が国際的に高まりつつある現状を報告し、今年9月に予定されている国連のハイレベル会合が今後の活動の参照基準を提供することへの期待を示し、難民のための「ニューディール」を考案することを提案しました。

 ピーター・サザーランド国際移住・開発担当国連事務総長特別代表は、既に多くの人命を奪っている前代未聞の難民危機を前にしつつも価値よりも国家主権が優先され、世界規模の責任の分かち合いが見られない現状を「許し難い」と強い調子で批判し、責任の分かち合いや協力、国家主権が絶対的な権利ではないとの事実の認識と共に、実際の行動が必要なことを強調し、ILOを創設した価値と共に立つことを訴えました。

 ウィリアム・レイシー・スウィング国際移住機関(IOM)事務局長は、人の移動が前代未聞の規模に達していることを示した上で、移住がほとんど場合プラスの効果をもたらしてきた事実が今は忘れ去られがちであることを指摘して、欧州のような高齢化や日本のような生産年齢人口の減少といった問題に直面している国々は移民を経済成長のエンジンと理解すべきと唱えました。また、仕事は人々に自活の道を開き、技能を習得して社会に貢献できる手立てを与え、脆弱な状態から抜け出させるなど、様々なプラスの点を備えることに注意を喚起して、政労使と市民社会、移民・難民のパートナーシップなど、移民や難民を社会に統合する方法を提案しました。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のキャロル・バッチェラー国際保護部長は、私たちの最終目的である難民の帰還とその社会再建への参画を可能にするためにも生計手段の確保と技能構築が重要である点を強調し、市場ニーズと雇用機会の把握、技能認定の検討、難民らを労働安全衛生措置の対象に加え、その就労に係わる基本的な権利・原則を確保することなど、7点に分けて行動のための道筋を提案しました。

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 以上はジュネーブ発英文ツイート集の抄訳です。