子どもの性的搾取

子どもの性的搾取・性的虐待に対する戦いが一歩前進:用語の統一を図るルクセンブルク指針発表

記者発表 | 2016/06/14

 子どもの性的搾取・性的虐待は複数の行動主体が関与する複雑な現象であり、多部門にわたる対応が求められますが、「同じ言葉が用いられていても実際の意味するところは一致していない場合が多く、立法関係者や児童保護機関、マスコミ、市民団体にとっての混乱と課題の種となっている」と、国際非政府組織(NGO)の国際ECPAT(アジア観光における児童買春根絶国際キャンペーン)のドロシー・ロツガ事務局長も指摘するように、共通語の不在は子どもの保護に向けた国際的な取り組みに影響を与え、努力を損なうものとなっています。

 そこで、ECPATが調整役となり、子どもへの暴力に関する国連事務総長特別代表、子どもの売買、児童売春、児童ポルノに関する国連特別報告者、ILOなど18の組織で構成されるグローバル機関間作業部会の手引きの下、性的虐待と性的搾取に対する子どもの保護に用いられている用語における合意形成を目指して子どもの保護に従事する専門家や国際的な行動主体が18カ月間にわたって検討を続け、6月14日にその成果物をジュネーブで発表しました。

 ガイドラインを採択した今年1月の作業部会会合開催地の名にちなんで「ルクセンブルク・ガイドライン」と呼ばれる『Terminology guidelines for the protection of children from sexual exploitation and sexual abuse(性的搾取及び性的虐待からの子どもの保護についての用語ガイドライン・英語)』は、子どもの性的搾取や性的虐待に取り組む協力体制の強化に向けた重要な一歩を表しています。様々な機関、産業部門、国々の間の協力とデータ収集の強化に向けて重要な概念に関する合意形成を目指すガイドラインは、子どもに対する性的暴力やライブ・オンライン性的虐待、早婚、児童奴隷、最悪の形態の児童労働など、子どもの性的搾取と性的虐待に関わり一般的に用いられている複雑な語彙の海を航海する際の手引きを提供するものとなっています。

 作業部会のヤープ・ドゥック議長は、ガイドラインの幅広い普及、そしてすべての関係者がガイドラインに示される用語や概念の意味とその使用に慣れることを「作業部会の希望」とし、それによって「あらゆる形態の性的搾取及び性的虐待から子どもをより効果的に保護すること」にこういった行動主体が貢献していくことへの期待を述べています。作業部会の中心的なメンバーであるマルタ・サントス・パイス子どもへの暴力に関する国連事務総長特別代表も、政策策定に携わる人々、専門団体、子どもの権利の擁護者が、「用語の正確化を図り、モニタリング・ツール策定時の精度を高め、地域横断的に子どもの性的暴力からの自由を守る取り組みを動員する際の概念の明確さを得るための重要な資料をこの重要なガイドラインに見出せる」と述べています。マオド・ド・ブーア=ブキッキオ子どもの売買、児童売春、児童ポルノに関する国連特別報告者は、子どもの性的搾取及び性的虐待に対する闘いにおいては、用語法は単なる意味論の問題ではなく、「対応の有効性も決定する」として、このガイドラインが子どもの保護だけでなく、この憎むべき犯罪が取り締まられずにすんでいる状態を終焉させることにも寄与することへの期待を示しています。

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 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。