G20第6回観光大臣会合

第6回G20観光大臣会合で達成された観光業の雇用後押し合意をILO歓迎

記者発表 | 2015/10/02

 ILOは2015年9月30日にトルコのアンタルヤで開かれた主要20カ国・地域(G20)の第6回観光大臣会合で観光業における雇用創出と包摂性を刺激する政策に関する宣言が採択されたことを、世界中の観光業における雇用創出を促進する重要な動きとして歓迎するものであります。

 トルコ政府との緊密な協力の下、ILOと世界観光機関(UNWTO)が準備したこの宣言の採択を通じて、G20諸国の大臣らは観光業労働市場の動向測定、技能ニーズの特定、この部門における人間らしく働きがいのある仕事を促進する適切な政策の確定、UNWTOとILOの協力強化に向けた取り組みの拡充に合意しました。宣言はまた、G20諸国首脳に向けて、9月に採択された国連の持続可能な開発目標8に含まれる「包摂的で力強い成長の促進に向けた、不平等の縮小、対技能投資、すべての人のための良質の仕事の創出」という目標を達成するための優先部門の一つとして観光業を検討することを奨励しています。

 世界の国内総生産(GDP)の9%を占める観光業には、世界全体で見ると就業者全体の12人に1人に相当する2億6,500万人(2014年)超が従事しています。これに加えて、この1.5倍の雇用が関連経済で生み出されています。最近実施されたILOと経済協力開発機構(OECD)の共同研究からは、観光業就業者のほぼ半分が従業員数10人未満、約4分の3が50人未満の企業で働いているといったように、この産業の雇用の主な受け皿は中小企業であることが示されています。

 会議に出席したグレッグ・バインズILO副事務局長は、さらなる急成長が予想される観光業は「とりわけ低開発地域において経済成長と雇用創出に一層寄与する潜在力を秘めている」として、これはこの産業が国連の持続可能な開発のための2030アジェンダに定められた地球規模の課題を達成する上でカギとなる役割を演じることを意味すると語っています。会合において、副事務局長はまた、この部門では特に女性と若者について必要な資格と職場の実態が顕著に乖離していることを指摘し、「持続可能で競争力があり、生産的な観光部門にとって不可欠なのは、人間らしく働きがいのある労働条件」と説き、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)が、この産業の若者にとっての魅力を高め、同時に顧客サービスの向上に資することを説明し、仕事の質を引き上げる必要性を訴えました。そして、この点で、政労使の社会対話の強化が労働者の権利の尊重を高め、労働条件の改善を助ける可能性があり、これによって企業が必要とする人材の確保・定着が容易になるであろうことに注意を喚起しました。ILOがUNWTOと協力して作成した『観光業を通じた貧困削減ツールキット』はこの点で有用な手法となることが立証されており、既にブラジル、エジプト、ケニア、ラオス、スリランカ、ベトナムなど各国で用いられています。

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 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。