G7エルマウ・サミット

責任あるサプライ・チェーンに関するG7諸国の公約をILO事務局長歓迎

記者発表 | 2015/06/08
アンゲラ・メルケル独首相(写真右)とライダーILO事務局長
©独連邦政府

 6月7~8日にドイツのエルマウで開かれた主要7カ国(G7)サミットの首脳宣言は、国際労働基準や労働安全衛生に関するILOの活動にも触れており、強固で持続可能かつ均衡ある成長及び雇用創出の目標達成を助けることになるような具体的な措置に関する提案を含んでいます。サミットに出席したガイ・ライダーILO事務局長は「グローバル・サプライ・チェーンにおける労働者の権利、人間らしく働きがいのある労働条件、環境保護」の促進に向けたG7首脳の公約を歓迎しました。

 ライダー事務局長はまた、G7首脳がILOと協力して、「公的枠組みの強化及び持続可能な企業慣行の確立を通じて、職場関連の死亡や重大な傷害を予防・削減するという目的をもって、ILOの既存のプロジェクトにも価値を付加する」ような「ビジョン・ゼロ・ファンド」を設立する意向を発表したことに特に満足を表明し、輸出向け工業化が貧困と不平等の削減を推進する世界の動きの重要な一部であることに注意を喚起した上で、このG7の「ビジョン・ゼロ・イニシアチブ」は、そのような戦略を「社会的・環境的・経済的に持続可能なものとする上で、重要な触媒的役割を演じることになろう」と評価しました。

 G7首脳は、人間を中心に置き、野心的かつ地球に配慮した、普遍的に適用される「持続可能な開発のためのポスト2015年アジェンダ」に対する強い支持を表明していますが、ライダー事務局長は、このビジョンを現実世界に移し替えるためにILOは加盟国政労使やG7パートナーと密接に協力していくとの意向を示しました。G7首脳はまた、開発途上国や国内のパートナーによる「差別、セクシュアル・ハラスメント、女性と女児に対する暴力及び女性の経済的な参画に対するその他の文化的・社会的・経済的・法的な障壁の克服を支援する」と結論づけていますが、事務局長は女性の経済的エンパワーメントの促進をG7会合の議題の上位に確保した点についてメルケル独首相のリーダーシップを評価しました。

 ライダー事務局長は、責任あるサプライ・チェーンや女性の労働市場への参加に向けた公約に加え、G7会合が2015年の重点を開発資金と気候変動に関する相当の前進の確保に置いていることを評価しつつも、相変わらず続く世界経済の現状について、「世界的に成長が衰えつつある以上、低い世帯所得を引き上げ、需要を増進する新たなイニシアチブをG7その他がとらない限り、失業者を減らすことはできないだろう」とコメントしています。

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 以上はジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。