パートナーシップ:イスラエル

ロマの若者のディーセント・ワークの促進に向けたILOの活動をイスラエルが援助

記者発表 | 2015/03/27

 中・東欧では新規労働力の2割以上をロマの人々が占めています。約1,000万人と推計されるこの地域で暮らすロマの人々の就職は特に困難で、最近の金融・経済危機によっても大きな影響を受けています。若者の高い学校中退率は、児童労働→低い習得技能→労働市場に加わり、留まることの難しさ→低賃金→固定的なイメージと偏見の悪循環につながり、若者はますます経済活動の縁辺に追いやられています。

 イスラエルは3月27日に締結した協定を通じて行う15万ドルの任意拠出によって、多様な差別と社会・文化からの排除に直面している中・東欧のロマの若者の雇用創出と機会平等を促進するILOのプロジェクトを支援し、そのディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)達成機会の拡大を目指します。影響を受けている集団・共同体のエンパワーメント、差別撤廃、包摂促進に向けた公共政策の策定支援に加え、革新的な経験の試行などといった活動が予定されています。

 様々な国内機関、欧州機関、国際機関が古くからロマの問題に取り組んできましたが、現在これらの人々の労働市場への参入と統合を阻んでいる根底にある要素に対する取り組みの体系化に向けてさらなる努力が必要であるように見えます。この種のものとしては初めてのこの新しい事業の目的は、ILOが保有するグローバルなツールや実践例の試行及び現地適応を通じて、ロマの若者のディーセント・ワークのニーズとギャップに対処するILOの介入コンセプトを開発することにあります。活動の中心は、児童労働の撤廃、技能開発、起業家教育、職業指導、若者保証制度の実施、クリエイティブ産業とグリーン経済に重点を置いた起業家育成、地域経済開発、小規模金融、社会的保護の拡大、エンパワーメントなどの多様な措置を組み合わせたツールキットを開発し、様々な組織と協力してこの実用化を試してみることに置かれています。

 直接の受益者はロマの教育や雇用に係わる政策・事業計画の策定・実施に関与している国内外の機関の職員と意思決定に携わる人々、労使団体職員、ロマの団体ですが、より効果的で性差に配慮した総合的な政策対応と対象を定めた労働市場統合の仕組みの最終的な受益者は15~29歳のロマの青少年となる予定です。技能水準が低い若者や学校中退者、インフォーマル経済で働く若者、貧困コミュニティーの若者に特に注意を払って活動が展開されます。

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 以上はパートナーシップ・現地業務支援局によるジュネーブ発英文記者発表の抄訳です。