産業別会議

化学・医薬品産業のデジタル化がもたらす生産的なディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に対する課題グローバル対話フォーラム

 製造から組立、食品生産から薬品まで、化学・医薬品産業の製品は至る所で用いられており、この産業は経済発展にとって重要です。この産業の生産的な雇用とディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の未来は、グローバル化、人口動態、気候変動、デジタル化その他の科学技術の発達といった変化の諸要因によって形作られると考えられます。既に自動化が相当に進んでいる化学・医薬品産業ですが、デジタル化その他の新技術の応用は、生産工程のさらなる自動化や、スマート製造業の活用による製品追跡技術や製品設計などの向上、情報収集の効率化によるサプライチェーン(供給網)管理能力の改善などをもたらす可能性があります。これは人的側面にも影響を与え、低技能・中技能労働者がまだ多く存在する途上国では相当の雇用が失われるかもしれません。このような変化はまた、ディーセント・ワークの機会を拡大する一方で、この産業に必要な科学・技術・生産技能を有する労働者の不足とそれに伴う職業教育・訓練への多大な投資の必要性、自動化がもたらした雇用形態多様化に伴う課題としてのすべての労働者への社会的保護の拡大、中小企業が追加的な負担なくリスク管理や労働安全衛生研修を改善できるための労働安全衛生分野の簡単な指針の必要性、男女平等及びワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の促進、国際労働基準に沿った労働安全衛生分野の国内法規の整備や好事例の導入、汚職根絶などといった、かねてより指摘されていたこの産業の課題を深刻化させる可能性もあります。こういった論点を理解することによって、政府、使用者、労働者はデジタル化の課題を管理し、機会を捉えるより良い準備ができると考えられます。

 このような考えの下で開かれるこの会議には、労使各側8人の代表に加え、この問題に関心を有するすべての政府代表が出席し、ILO及び加盟国における今後の活動の提案を含む合意事項の採択を目指し、化学・医薬品産業におけるデジタル化その他の新技術の利用がもたらす生産的なディーセント・ワークに係わる課題と機会を巡る話し合いを行います。

 討議のたたき台として事務局が準備した論点文書は、第1章「今日の化学・医薬品産業」、第2章「デジタル化その他の変化の推進要素」、第3章「生産的なディーセント・ワークに係わる課題と機会」の3章構成で、◇化学・医薬品産業を取り巻く現状、◇デジタル化、グローバル化、人口動態、気候変動といった要素の影響、◇雇用、社会的保護、労働条件、就労に係わる基本的な原則と権利、国際労働基準、社会対話といった切り口から見た課題と機会を簡潔にまとめています。


詳しくは会議のウェブサイト(英語)へ---->
化学・医薬品産業のデジタル化がもたらす生産的なディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に対する課題グローバル対話フォーラム