ILO実務規程:港湾安全衛生

港湾安全衛生実務規程改訂版の採択に向けた専門家会議

 港湾労働は洗練された革新的な措置が新たに導入されているものの、いまだに労働災害の発生率が非常に高い職業の一つとみられています。

 ILOは1979年に職業上の安全及び衛生(港湾労働)に関する条約(第152号)同名の補足的な勧告(第160号)を採択して港湾における労働安全衛生について規定しています。この実施を導くものとして、1976年には『港湾労働安全衛生ガイド』、1977年には『港湾労働安全衛生ILO実務規程(第2版)』が刊行されていますが、2003年12月に開かれた専門家会議において、この二つの文書に置き換わるものとして、新たに『港湾安全衛生ILO実務規程』が採択されました。

 政労使各側8人の専門家が参加したこの会議では、2003年以降の状況の変化を反映するようにこの実務規程を更新・改訂する新しい規程が採択されました。多くの図版や好事例が盛り込まれた『Safety and health in ports: ILO code of practice(港湾安全衛生ILO実務規程(2016年改訂版))』には、港湾の基盤構造や用いられる各種機材、陸上や船上における作業、危険物の取り扱い、健康に対する危害、個人用保護具、トイレや飲料水などの福利施設、緊急時の取り決めなど港湾作業のあらゆる側面を網羅した安全と健康のための手引きが詳細に示されています。荷揚用機械や玉掛用具の検査などに関する10の付属資料も含まれています。新たに登場してきた安全と健康に対する危害、港湾における作業自動化に関連した問題、女性労働者の増加を考慮に入れ、改訂版には、新たにリーファー保管区域や労働安全衛生マネジメント・システム、HIV(エイズウイルス)/エイズなどの伝染性疾患に関する規定に加え、性的嫌がらせ(セクシュアル・ハラスメント)に関する見本ポリシーなどの付録文書が追加されています。

 港湾の管理運営、実務作業、維持保全、開発、港湾労働者の安全に対する責任を負う全ての機関・個人に対する助言と支援を提供することを目指すこの実務規程は、港湾における安全衛生改善、労働災害や職業病に関連したコストの削減、全ての港湾労働者がディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の利益を得ることの確保を目指す全ての方々にとっての貴重なツールとなることが期待されます。


詳しくは会議のウェブサイト(英語)へ---->
港湾安全衛生実務規程改訂版の採択に向けた専門家会議