世界対話フォーラム

電気通信サービス及びコールセンター産業における雇用関係世界対話フォーラム

 電気通信サービス及びこの産業に関連するものを中心とするコールセンター産業の雇用関係に関する今後の政策策定に資するような合意項目の特定を目指して開かれたこのフォーラムは、パートや派遣労働、アルバイト、契約社員などの非標準的な雇用形態が広く見られるこの産業の雇用関係のより良い規制の必要性を指摘して閉幕しました。この産業の労働者に適切な保護が確保されるために、革新的な社会対話の手法や仕組みが求められることも指摘されました。

 24カ国の政府側代表・顧問計29名、労働者側21名、使用者側8名に加え、国際非政府組織からのオブザーバー7名の計65名が参加したこのフォーラムで採択された合意項目は、電気通信サービス及びコールセンターにおける雇用関係が直面している課題、この産業の労働環境改善に社会対話が寄与する可能性についての合意を示し、ILO及び加盟国の将来的な活動に対する提案を含んでいます。非標準的な雇用形態を規制する法律を確定し実行する必要や、職場監督の強化・改善、結社の自由や団体交渉といった労働者の権利を非標準的な雇用形態の労働者も享受できるように権利を促進する必要性などが指摘され、加盟国政労使に対しては、雇用上の地位にかかわらずすべての労働者の公平処遇や生産的なディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の促進に向けて効果的な社会対話に従事することなどを、政府に対しては、労働監督の能力・資源・資金の底上げなどを、ILOに対しては、客観的なデータの定期的な収集・公表の仕組みの改善に向けて加盟国と協働することなどが提案されています。

 2013年のILO総会に提出した報告書でガイ・ライダーILO事務局長が記したように、今日、非典型的とされる雇用形態が典型的になり、標準的な雇用形態が例外的なものとなってきています。つい最近まで多くの国で標準的な雇用関係が主流を占めてきた電気通信部門でも非標準的な雇用形態が急速に広まってきています。一方、お客様窓口として電話やインターネットを通じて問い合わせ対応や受注、営業など様々な顧客サービスを提供するコールセンターまたはコンタクトセンターは、一般に非標準的な雇用形態を特徴としてきました。

 討議のたたき台として準備された論点文書は電気通信事業とコールセンターの概要を記した上で、この産業の一般的な状況を雇用規模、危機の影響、立地、コンタクトセンターが見られる業種、オフショアリング、訓練、ジェンダーなどの側面から概括し、雇用関係、社会対話、そして労働形態や作業組織、雇用関係の動向がもたらしている影響について簡潔にまとめています。


詳しくはフォーラムのウェブサイト(英語)へ---->
電気通信サービス及びコールセンター産業における雇用関係世界対話フォーラム