小売業における雇用関係がディーセント・ワークと競争力に与える影響に関する世界対話フォーラム

 今日、賃金雇用に就いている人は世界の労働力全体の約半分に相当しますが、小売業ほど雇用形態の多様化が進んでいる産業はないと言えます。小売業ではパートタイマーやアルバイトなどといった非標準的な雇用形態が一般的になっています。

 この産業の労使代表各8人と追加出席者、関心のある政府29カ国の代表及び顧問計66人が参加したこのフォーラムでは、小売業における雇用関係の多様化がこの部門の企業の競争力とディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)に与えている影響を検討し、政労使にとっての課題、非標準的な雇用形態がディーセント・ワークに与える影響の諸点において合意に達し、ILOと加盟国政労使に向けた今後の活動提案が採択されました。日本からも厚生労働省大臣官房国際課海外情報室の原田室長、職業安定局雇用政策課の高崎企画係長、労働者代表としてUAゼンセンの八野副会長、藤吉副会長、檀上国際局部長、UNI日本加盟組織連絡協議会の小川事務局長が参加しました。

 フォーラムの合意事項は、小売業では極めて多様な非標準的雇用形態が一般的な慣行になってきたことを認めた上で、これは事業の柔軟性に貢献し、企業の競争力向上を手助けできるとしつつも、労働者には安定した予見可能な労働時間と所得保障を含むディーセント・ワークも必要として、直前に開かれた非標準的雇用形態専門家会議の結論にも言及した上で、非標準的な雇用形態は労使の正当なニーズを満たすべきであり、労働者の権利とディーセント・ワークを損なうように用いられるべきではないと説いています。そして、政労使に対してはディーセント・ワークと持続可能な企業の促進、すべての労働者の公平な処遇を確保するために社会対話に従事することを、政府に対しては、非標準的な雇用形態の規定や小売業における労働法制・政策の見直しに社会的パートナーを関与させることなどを求め、ILOに対しては雇用水準などに関する定期的なデータの収集・公表のための仕組みの改善に努めることなどを求めています。

 討議のたたき台として準備された論点文書『Employment relationships in retail commerce and their impact on decent work and competitiveness(小売業における雇用関係とディーセント・ワーク及び競争力に対するその影響・英語)』は、小売業における雇用の現状と雇用関係多様化の要因をまとめた上で、キャリア展望と雇用保障、労働時間、就業上の地位の移行、技能・訓練といった切り口からその影響を検討しています。柔軟な契約取り決めや訓練に係わる政府、労使団体の取り組みも紹介されています。この論点文書と最終討議報告、合意事項を合わせた本フォーラムの日本語報告書がUNI日本加盟組織連絡協議会から出されています。


詳しくは会議のウェブサイト(英語)へ---->
小売業における雇用関係がディーセント・ワークと競争力に与える影響に関する世界対話フォーラム