公務部門

公務員の団体交渉における課題世界対話フォーラム

 2013年に開かれた第102回ILO総会には初めて公務部門の労働関係を扱った総合調査報告書が提出されました。総会の基準適用委員会は、1978年の労働関係(公務)条約(第151号)及び付属する同名の勧告(第159号)並びに1981年の団体交渉条約(第154号)及び付属する同名の勧告(第163号)の各2本の条約・勧告に関し、関連条約未批准国からの法律及び慣行の現況報告も含めて基準の適用に係わる世界の状況をまとめた報告書『Collective bargaining in the public service: A way forward(公務における団体交渉の前途)』をもとに討議を行い、自由で自主的かつ誠実な交渉の原則に光が当てられました。討議では、公務部門の団体交渉は、とりわけ経済危機の時代において実体経済に対する対応の影響力を最大化し、公正かつ公平な労働条件、職場における円満な関係、社会平和に寄与する可能性があることが強調されました。さらに、様々な団体交渉の仕組みに関する助言、そして各国が団体交渉を促進する仕組みを自国の状況に適合するよう調整してきた経験の共有は、各国政府に利益を与える可能性が指摘されました。

 委員会の提案を受けて開かれたこのフォーラムには、正式な労使代表各6人に加え、出席を希望した41カ国から80人の代表及び顧問、追加参加者としての労使計30人、オブザーバー参加の政府間組織及び国際非政府組織7団体の合計で127人の出席者があり、経済・金融危機が公務部門の団体交渉に与えている影響をはじめとした良好な労働関係の育成を阻む諸課題を巡り、総合調査をもとに、今後のあり方について合意に達することを目指して話し合いが行われました。

 経済・金融危機の影響を含み、公務部門が直面している課題に取り組む上で団体交渉が寄与できる方法、とりわけ団体交渉を通じて、独立した権限を行使する公務労働者の保護並びに公務部門の独立性及び中立性を強化できる方法、社会対話を通じて職員の育成、キャリア進行、雇用条件、効率性、業務成績を高めるために必要な活動といった事項について議論を行い、社会対話は公務部門に係わる幾つかの事項に対処する上でカギを握ること、社会対話は公務部門の独立性と中立性を保護する基盤構造の一部となり得ること、訓練・再訓練の設計において社会対話に一定の役割を演じさせるべきこと等の合意が達成されました。ILOの今後の活動としては、団体交渉の対象となり得る事項の範囲に関する調査研究の実施や公務部門の団体交渉に関する好事例・情報の交換を許す地域セミナーの開催などが提案されています。労働者団体は自らの合意事項として、既存の交渉従事者研修プログラムの強化などの活動を約しています。ILOと加盟国政労使は第151号条約などの効果的な促進、実施、活用を通じて公務部門のディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を促進し続けることなど、理事会で既に承認されている事項も確認事項として盛り込まれています。

 討議資料として事務局が作成した論点文書『Collective bargaining in the public service: Bridging gaps for a better future(公務における団体交渉:問題点の克服によるより良い未来の構築)』は、公務部門の雇用、賃金、労働条件に対する金融危機の影響をまとめ、第151号条約の実行と促進に向けた加盟国政労使の活動、批准・実施状況、ILOによる第151号条約批准促進活動について記しています。


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公務員の団体交渉における課題世界対話フォーラム