世界メンタルヘルス・デー

職場のメンタルヘルスについて話し合おう

 ガイ・ライダーILO事務局長は2020年世界メンタルヘルス・デー(10月10日)に向けて発表した声明で、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的大流行によってストレスレベルが上昇している中、職場でメンタルヘルスについてオープンに話し合い、差別や汚名を低減しようと提案しています。

声明 | 2020/10/09

 ガイ・ライダーILO事務局長は2020年世界メンタルヘルス・デー(10月10日)に向けて発表した以下の英文声明で、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的大流行によってストレスレベルが上昇している中、職場でメンタルヘルスについてオープンに話し合い、差別や汚名を低減しようと提案しています。ILOはまた、労働者の健康と福祉を守るために必要な主な要素を示す手引きを作成しました。

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 新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的大流行は今までに想像したこともないような形で私たちの暮らしを変えました。私たち皆の周囲で人々は苦しんでいます。そして、未来がどうなるのか分からないのです。誰もが問いかけています。これからどれだけの仕事が失われるのでしょう。いつ平常に戻るのでしょう。新たな日常とはどんなものになるのでしょう。多くの労働者の質問は一層切迫しており、どうすればやりくりできるかや、どうすれば家族に食べさせてやれるかといったものになっています。

 この異様にストレスに満ちた環境の中で迎える2020年の世界メンタルヘルス・デーは、「全ての人のメンタルヘルス(精神衛生):より大きな投資とより広い機会を。誰にも、どこでも」をテーマに掲げています。

 この数カ月、経験してきた奥深い変化に直面し、多くの労働者が無力感を感じています。テレワークは労働者を孤立させ、勤労生活と私生活の境界線が曖昧になるのを経験しつつ、職業責任と家庭責任の両立を求められるといったように新たなストレスをもたらしました。テレワークができない人々は不当にウイルス感染のリスクにさらされていると感じると共に、それがもたらすあらゆる不安を抱えています。

 世界がこの危機に取り組み続ける中、疑いなくこのウイルス流行後も残るであろうメンタルヘルスのリスクに光を当てることが決定的に重要です。

 ではどうすればいいでしょうか。職場でメンタルヘルスについてオープンに話し合い、将来の見通しが持てない若者や二度と再就職できない不安を抱える高齢労働者や景気下降の矢面に立たされている女性、十分な支援を受けられていないと感じている最前線の労働者など、この状況に十分に対処できていない人々の差別と汚名を低減させる必要があります。

 各国政府は社会的保護への投資を続け、脆弱で不利な立場の人々の精神衛生を確保する特別の支援措置を講じなくてはなりません。国際レベルでは、より裕福な国は大多数の市民が全く何の保護も得られないような低・下位中所得国を支援すべきです。

 私たち多くにとって仕事は私たちが何者であるかの必要不可欠な一部です。職場がメンタルヘルス問題を語り合える安全な環境であるよう確保することは、私たちの私生活及び職業生活に対するウイルス流行の影響を緩和し、私たちの強靱性を高める助けになるでしょう。

 私たちには皆、家族や友人、職場の同僚を気にかけ、支援することによって、また、自らが良好な状態であるよう注意し続けることによって、そして必要なときには声を上げ、助けを求めるのを恐れないことによって果たすべき一定の役割があるのです。

新型コロナウイルスの中、職場のメンタルヘルスを守ろう

 世界デーに際して制作された広報動画は新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的大流行は労働者の健康と福祉に心理社会的な新たな課題をもたらしていることを示し、問題に取り組む一助として、今年6月に発表されたILOのガイドの存在を紹介しています。

2020年10月9日発表・英語・1分30秒

 新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的大流行は、職場におけるメンタルヘルス(精神衛生)の問題を悪化させました。テレワークは労働者に孤立感を感じさせたり、仕事と私生活の両立を困難にするため、新たなストレスを招いています。

 マナル・アッジILO労働安全衛生上級専門官は、保健医療従事者や救急労働者だけでなく必需品の生産や配達に従事している労働者などの最前線の労働者は作業量や労働時間が増え、職場で感染してウイルスを家族や友人に移す不安を常に抱えながら働いていること、さらにまた身体的な攻撃を受けた人も多いことを挙げた上で、心理社会的リスクは、適切な評価・管理が行われなければストレスの引き金になったり、ストレスを悪化させ、精神衛生上の慢性的な不調につながる可能性があることを指摘し、だからこそ、労働者とその家族を守るには、メンタルヘルスについてはっきりかつ公然と語り合うことが非常に重要と説いています。

 失業は劇的に増え、数百万人の労働者が仕事を失う不安を抱えています。この信じられないレベルの不確実性に直面し、ILOは企業と労働者の双方に向けた新たなガイドを発表しました。『新型コロナウイルスの世界的大流行の中での労働関連心理社会的リスクの管理』と題するガイドには、地域封鎖中と職場復帰時の両方の期間における仕事に関連した心理社会的リスクを管理する方法についての実践的なアドバイスが含まれています。このツールは個別の職業や各国のニーズに合わせて適応することもできます。是非ご活用下さい。